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2026年10月号

更新中
編集長: 木村蒹葭堂(大坂)

特集.txt - メモ帳
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【特集】依田勉三と晩成社 ・ 初出: 2025年11月〜2026年6月

オベリベリに鍬を入れた男 ― 依田勉三、没後100年の掘り起こし

十勝開拓の先駆者・依田勉三が没後100年を越え、故郷の伊豆と帯広の両方で掘り起こされている。新たな史料1455点に子ども向けの読本、そして「偉大なる失敗者」という呼び名。十勝川を歩いた者の目でたどる。

オベリベリの原野に鍬を入れる晩成社の人びと(挿絵)。
オベリベリの原野に鍬を入れる晩成社の人びと(挿絵)。

オベリベリ。十勝川のほとり、アイヌの人々がそう呼んでいた土地に、伊豆から来た一団が鍬を入れたのは明治16年(1883)のことと聞く。わたしが六度目の蝦夷地調査で十勝の内陸を歩いたのは安政5年(1858)。あの土地に、四半世紀ののち畑を拓こうとする者が現れるとは、当時は思いもしなかった。 その一団「晩成社」を率いたのが依田勉三(1853〜1925)である。2025年12月に没後100年を迎えるのを前に、11月15日には故郷の静岡県松崎町で記念式典が開かれ、晩成社にかかわる史料など1455点が新たに見つかったとして、その目録が発表されたという。勉三をモデルにした創作講談も、この日が初披露だったそうだ。 帯広の側も負けていない。地元の書店が企画した子ども向けの『とかち開拓読本 依田勉三のあゆみ』が世に出て、2026年2月1日には著者の吉田政勝さんによる出版記念の講演会が、帯広のとかちプラザで開かれた。5月21日には、勉三が暮らし最期を迎えた晩成社事務所(依田農具店)跡の案内板の前で、帯広小学校の4年生35人が課外授業を受けていたらしい。 面白いのは、北海道新聞の連載が勉三に付けた呼び名である。「偉大なる失敗者」。晩成社の開墾は、入植した年から野火と蝗の大群、天候不順に見舞われる苦難続きで、「開墾のはじめは豚とひとつ鍋」と詠まれたほどの暮らしだったと伝わる。事業としては実を結ばなかったものも多いのに、その人がなぜ十勝の人々をつなぐ「統合の象徴」として求められてきたのか。連載はそこに目を向け、故郷の松崎町と帯広との交流が深まっていることにも触れている。 ひとつだけ、蝦夷地を歩いた者として書き添えておきたい。帯広という地名がアイヌ語の川の名に由来し、入植地がオベリベリと呼ばれていたように、勉三たちが入った十勝は、人の暮らしのない荒野ではなかった。百年目の掘り起こしが、勉三の苦労とあわせて、その土地にもとから暮らしていた人々のことを思い出す機会にもなってほしいと願う。

#依田勉三#晩成社#十勝#帯広#北海道開拓#松崎町
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【特集】王塚古墳の特別公開 ・ 初出: 2024年10月〜2026年10月

火を越えて、壁画にふたたび灯り ― 王塚古墳、秋の特別公開へ

福岡県桂川町の装飾古墳・王塚古墳の石室が、10月17・18日に特別公開される。資料館の火災で三度見送られた公開が、1年半ぶりに照明を一新して戻ってくる。遠賀川流域の古墳一斉公開も同じ2日間だ。

諸国の陵を訪ね歩き、墳丘の形を書き留めては「前方後円」と言い表した身として、白状しておかねばならないことがある。わたしは石室の壁を色で飾った古墳というものを、ついに知らずに終わった。筑前の王塚古墳は、昭和9年(1934)に見つかった6世紀の前方後円墳で、石室の壁のほぼ全面に騎馬像や武具、幾何学文様が描かれているという。国の特別史跡である。 石室の扉が開くのは、春と秋に2日ずつだけ。その公開が、この1年半ほど止まっていた。2025年4月、隣の王塚装飾古墳館から火が出て事務室が焼け、館は休館、直後の春の公開は中止になった。秋の公開も見送られ、地元の郷土史会は早い復旧を願って募金を呼びかけたそうだ。 館はその間も、かけらから復元した高さ1mの円筒埴輪を披露する支度を進め、2026年8月25日、1年4カ月ぶりに再び開館した。九州最大級というその埴輪をはじめ、初めて公開する資料が並んだという。そしてこの10月17・18日、いよいよ古墳の特別公開も戻ってくる。チラシによれば、壁画を照らす照明をLEDにして増やし、石室を支える柱も新しくしたとのこと。館では再開を記念して、画家の田中千智さんが王塚古墳を描いた作品の企画展も開かれている。 同じ2日間、遠賀川流域の5市4町も古墳や横穴墓をそろって公開する。人物や龍を描いた宮若市の竹原古墳、70基以上の横穴墓が確かめられた直方市の水町遺跡群、九州最大級の横穴墓群という福智町の城山横穴群など、各地で文化財担当の職員が現地で解説するそうだ。 わたしは陵の荒れようを嘆きながら歩いたものだが、火に遭った館を立て直し、壁画に新しい灯りをともして人を迎えようという土地の心意気には頭が下がる。墳丘の外形ばかりを測っていた者としては、その内側に色があったと聞くだけで、旅支度をしたくなるのである。

#王塚古墳#装飾古墳#前方後円墳#桂川町#遠賀川流域#竹原古墳#水町遺跡群
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【特集】奈良ホテル本館の重要文化財指定とクラシックホテル ・ 初出: 2026年6月〜2026年10月

古都の迎賓館、重文の列へ ― 奈良ホテル本館と、明治・大正のホテルたち

明治42年開業の奈良ホテル本館が、国の重要文化財に指定される見通しとなった。営業を続けるホテル単独の建物としては全国初という。辰野金吾の和洋折衷を眺めつつ、各地の古いホテルにも杖を延ばしてみる。

菊の香や奈良には古き仏達。元禄7年(1694)の重陽に、わたしが奈良で詠んだ句である。三百年余りを経たその町で、明治生まれの宿が国の宝の列に加わるという。 10月16日、文化審議会が奈良ホテル本館(奈良市高畑町)を重要文化財に指定するよう答申した。所有するJR西日本によれば、ホテル単独の建物として今も営業している建造物が重文になるのは全国で初めてだそうだ。開業は明治42年(1909)10月17日。設計は辰野金吾と片岡安の辰野片岡建築事務所。 建物の見どころは、和と洋の混ぜ具合にある。吹き抜けのある大広間や大食堂を備え、両翼を中央から正面へ突き出した配置や縦に伸びる立面には西洋建築の手法と比例を取り入れつつ、軸組や内部の意匠は伝統的な木造建築を基調にしている。古都の景観に調和した和洋折衷という評価は、寺の屋根が連なる町に洋館を建てる難題への答えだったのだろう。19日には本館の内部が報道陣に公開された。「関西の迎賓館」と呼ばれ、皇族や国賓を迎えてきた宿で、アインシュタインやヘレン・ケラーも泊まったと伝わる。 「ホテル単独」という但し書きが気になって、少し道を逸れてみた。東京ステーションホテルは、重要文化財である東京駅丸の内駅舎の中で営業している。奈良ではこの6月25日、明治の監獄として重文になった旧奈良監獄が、星野リゾートの「星のや奈良監獄」(全48室)として開業した。どちらも重文の建物で泊まれる宿だが、ホテルとして建てられた建物がまるごと重文になるのは、奈良ホテルが初めてということになる。 奈良ホテルは、戦前創業のホテル9館がつくる「日本クラシックホテルの会」の一員でもある。日光金谷ホテル(1873年創業)、箱根の富士屋ホテル(1878年創業)、軽井沢の万平ホテル(1894年創業)はいずれも国の登録有形文化財で、ほかに横浜のホテルニューグランド、蒲郡クラシックホテル、雲仙観光ホテル、川奈ホテルが名を連ねる。登録と指定は格が違うが、奈良の一件はほかの宿を見直すきっかけにもなりそうだ。秋の奈良へ杖を向ける理由が、ひとつ増えた。

#奈良ホテル#重要文化財#辰野金吾#クラシックホテル#近代建築#奈良
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歴史かわら版 ・ 2026年10月

西山浩司 大村益次郎役出演 楠本イネ生誕200年記念舞台 『シーボルト父子伝~外伝~ 緋髪の大和撫子』上演 コメントも_

日本初の女性産科医とも呼ばれる楠本イネの生誕200年を記念した舞台が、来年1月に赤坂RED/THEATERで上演されるとのこと。宇和島でイネを指導した大村益次郎の役を、愛媛生まれの西山浩司さんが演じるらしい。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

3隻目の元寇船の全体像解明へ 長崎・鷹島海底遺跡で発掘始まる

元寇で沈んだモンゴル軍の船が眠る長崎県松浦市の鷹島海底遺跡で、今年度の発掘調査が10月2日から1か月の日程で始まったとのこと。狙いは3隻目の元寇船の、まだ見つかっていない船首か船尾。全体像がどこまで見えるか楽しみやなあ。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

さきたま古墳公園(埼玉県行田市)の愛称が 「アサンテさきたま古墳桜パーク」に!ネーミングライツ契約締結式を実施

金錯銘鉄剣の稲荷山古墳や、日本最大級の円墳・丸墓山古墳で知られる行田のさきたま古墳公園が、10月1日から「アサンテさきたま古墳桜パーク」の愛称で呼ばれることになったそうな。古墳に横文字の愛称とは、時代も変わったもんや。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

伊達宗城(むねなり)の憂鬱。そしてハレルヤ!

南海放送が12月6日、宇和島藩主・伊達宗城を描くラジオ公開生ドラマを放送するとのこと。題材は安政元年に藩士に命じた「遠走(とうばしり)」、いわば侍マラソンで、安中藩のものより1年早いらしい。BGMはなぜかストーンズとゴスペルだそうな。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

米子城跡三の丸広場完成 18日に記念式典、供用開始

国史跡・米子城跡の三の丸広場が完成し、10月7日に公開されたとのこと。もとは市営湊山球場の跡地で、2024年春から2年半かけて整えたそうな。18日の記念式典で供用開始。球音の代わりに、今度は城の昔語りが響くわけや。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

貴重なアイヌ資料140点公開 幕別のアイヌ文化新拠点「チロット」開業

十勝の幕別町に、アイヌ文化の新しい拠点「チロット」が10月1日に開業したらしい。貴重なアイヌ資料140点が公開されているとのこと。展示だけやのうて、文化を受け継ぐ場にもなるそうで、こういう拠点が地元にできるのは心強い。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

東大寺再建に尽くした高僧と豪族の創作物語を書籍化…史実踏まえ、2人の心情を大胆に描写「大罪人のイメージあるが研究進んでほしい」

東大寺の再建に奔走した重源と、阿波・讃岐の豪族・田口成良を描いた『大仏復興ものがたり』を、奈良徳島県人会の本出良一さんが自費出版したそうな。成良が大輪田泊の築港奉行やった縁から、2人の交流を大胆に想像した創作部分もあるらしい。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

追跡!キリシタン大名 有馬晴信

NHK BSの『英雄たちの選択』が、10月1日の放送でキリシタン大名・有馬晴信を取り上げたとのこと。司会は磯田道史さん、ゲストに作家の真山仁さん。島原半島の殿様がどんな岐路に立たされたのか、気になるところ。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

熊本市で開催「お城EXPO」福岡は”空き城” 職員派遣中止「総合的に勘案」

10月3・4日に熊本で開かれたお城ファンの祭典「お城EXPO」で、福岡城のブースだけ無人の“空き城”になっていたらしい。福岡市が職員の派遣を取りやめたそうで、理由は「総合的に勘案」。せっかくの晴れ舞台、ちと惜しい。

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歴史かわら版 ・ 2026年09月

近代日本最大級の実業家・小林一三が愛した美術とは、蕪村、呉春の名品、「室町時代のボーイズラブ」も

阪急の創業者・小林一三が愛した美術を紹介する記事で、蕪村・呉春の名品から「室町時代のボーイズラブ」まで登場するそうな。折しもサントリー美術館では、逸翁美術館コレクション展が11月8日まで開かれている。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

尊徳の業績と教え学ぶ 記念館でイベント〈小田原市・箱根町〉

小田原市尊徳記念館で、10月18日に第66回尊徳祭が開かれるとのこと。二宮尊徳の生家の公開に、浪曲「二宮金次郎伝」、映画「二宮金次郎」の上映まであるらしい。前庭の「報徳市」で地元の味を買うのも、尊徳先生の教えに適うかもしれん。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

「風、薫る」と同時代に活躍した看護師・稲田ユキ、世界最高峰の功績「ナイチンゲール記章」が故郷で8日まで展示

北清事変や日露戦争で戦地の救護にあたった見附市出身の看護師・稲田ユキが、1923年に受けたナイチンゲール記章の実物を、見附市図書館で10月8日まで展示しているそうな。日本人で4人目の受章やったとのこと。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

野坂昭如さんの小説「火垂るの墓」 ゆかりの地を歩く

神戸空襲で孤児になった兄妹を描いた、野坂昭如の『火垂るの墓』。そのゆかりの地を歩く会が神戸の東灘区であり、碑の立つ石屋川公園などを約20人が巡ったそうな。1999年から続く会で、11月8日はニテコ池のある西宮を歩くとのこと。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

「堀江敏幸コレクション」 懐かしく優しい「がらくた」

今春、白水Uブックスで「堀江敏幸コレクション」が始まったらしい。旧作の小説やエッセー、翻訳を編み直し、作家の書き下ろし解説が付く。9月刊の『もののはずみ』は“がらくた”が懐かしい物語を帯びるエッセーやそうで、古物好きには見過ごせん。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

親日派の筆跡見抜けなかった国立中央博物館、高麗仏画に贋作論争(1)

韓国国立中央博物館が2010年に買った「宝生院十王図」3点を、高麗仏画研究の大家・鄭宇澤名誉教授が「1950年代に日本で作られた贋作」と見ているらしい。11日開幕の米クリーブランド美術館の展覧会に並ぶ品だけに、波紋は小さくなさそうや。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

フィルムの余白に複数の人が「広島・長崎における原子爆弾の影響」余白含めて映像文化ライブラリーがデジタル化

画面の外に、まだ人が映っとった。広島市映像文化ライブラリーが記録映画「広島・長崎における原子爆弾の影響」を余白ごとデジタル化したら、上映では見えなかった顔や指先が出てきたらしい。人物の特定につながるかもしれんとのこと。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

京都・京丹後で古墳フェスと鉄道サミットを同日開催 無料臨時バス運行「両方楽しんで」

日本海側で最大という前方後円墳・網野銚子山古墳(京丹後市)で10月3日に古墳フェスがあり、同じ日に網野駅開業100周年の鉄道サミットも重なるとのこと。古墳と鉄道、どちらのファンも一日で欲張れるわけや。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

重要文化財「茨城県武者塚古墳出土品」がいつでもみられるようになります。

みずらを結った髪まで残る、7世紀の武者塚古墳(土浦市)の出土品。壊れやすくて一部をたまに出すだけやったのが、専用ケースを作って常設になるらしい。来年2月上旬から土浦市立博物館、その後は上高津貝塚ふるさと歴史の広場で見られる予定とのこと。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

氷河の融解で次々に現れた第1次大戦の不発弾、軍が数百発を撤去 伊北部

百年あまり氷の下に眠っとった「白い戦争」の置き土産が、氷河の後退で顔を出しているらしい。伊北部トレンティーノ・アルト・アディジェ州の山で、イタリア軍が8月初旬から10月16日までに第1次大戦の不発弾を数百発撤去したとのこと。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

京都府大山崎町で、禁門の変で活躍ものちに自害した「烈士」ら追悼祭「彼らがいてこそ平和な世に」

禁門の変に敗れ、天王山で同志と自刃した真木和泉守ら「十七烈士」。その招魂祭が25日、大山崎町の離宮八幡宮で営まれたそうな。主催は地元住民でつくる「天王山勤王十七烈士顕彰会」。天下分け目の天王山には、幕末の一幕もあったわけや。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

琉球王国 具志頭王子を悼み法要 清水区興津の清見寺 江戸時代に駿府の地で亡くなり徳川家康が埋葬

1610年、江戸へ向かう途中に駿府で病死し、家康の手で興津の清見寺に葬られたと伝わる琉球王国の具志頭王子。10月21日、静岡と沖縄の関係者がその墓前で法要を営み、琉球舞踊の奉納もあったそうな。駿河の古刹に、南の島の調べが響いた一日。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

旧石器時代のピリカ遺跡でサケ食べたか 科学調査で判明 国内初の成果 今金町

北海道今金町のピリカ遺跡から出土した約2万年前の石器を分析したところ、サケなど海洋資源の成分が検出されたとのこと。旧石器時代のサケ食の痕跡としては国内初の発見らしく、北の大地の厳しい冬を生き抜いた知恵が偲ばれますな。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

小さな骨が旧石器人の狩りのイメージを変える 山形県立博物館のプライム企画展「極東の狩人」

山形県立博物館で開催中の企画展「極東の狩人」が注目を集めているとのこと。オオツノジカの巨大な骨や破損した石槍の痕跡から、罠や連携を駆使した氷河期のリアルな狩りの姿に迫る内容だそうで、ロマンと科学の目が光ってますな。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

雲海シーズン本格到来/朝来・竹田城跡/11月は夜明け前に雲海バス運行

「天空の城」で名高い兵庫県朝来市の竹田城跡で雲海の本格シーズンを迎え、11月の土日祝日には夜明け前に登城できる「早朝雲海バス」が運行されるそうな。朝霧に浮かぶ壮大な石垣の絶景、一度は拝んでみたいもんどすな。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

奪われた先人たち、夫の涙「悲しくて」 なぜ遺骨は持ち去られたのか [北海道]

明治期以降、学術研究の名目で各地の大学等に持ち去られたアイヌ民族の遺骨をめぐり、返還を求め続けてきた遺族たちの苦悩と歴史的経緯に迫る報道。先人の尊厳と向き合い、地域の歩みを省みる重い問いかけとなっております。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

秀吉の孫?木下延由の名が刻まれた小太刀、歴史資料館に寄贈

大坂落城後に生き延びた秀頼の子・国松という異説が伝わる日出藩主の四男・木下延由の銘が入った小太刀が、大分県日出町の歴史資料館に寄贈されたそうな。豊臣の血脈をめぐる真偽不明の伝説に、また一つ興味深い物証が現れましたな。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

考古学から迫る万葉集のこころ 別れ・望郷の場面を検証

木簡や遺跡の遺構といった考古学の成果を手がかりに、万葉集の歌に込められた防人の別れや望郷の心情を読み解く試みが報じられております。土の中から掘り出された文字や生活の痕跡が、千数百年昔の生々しい叫びを現代に蘇らせますな。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

動物や船…加西・玉丘古墳に大量の埴輪破片 「図面が書き換わる大発見」 11月3日、現地説明会

兵庫県加西市の国史跡・玉丘古墳(5世紀初頭の前方後円墳)の発掘調査で、舟や家、水鳥、馬などをかたどった大量の形象埴輪の破片が出土したとのこと。造り出しで行われた当時の壮大な祭祀の姿を物語る大発見に、古代史ファンの血が騒ぎますな。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

島津斉彬が作った茶碗など約100点 照国神社境内の資料館がリニューアルオープン 波平一派の刀も

薩摩藩第11代藩主・島津斉彬を祀る鹿児島市の照国神社境内で、照国文庫資料館が11月1日にリニューアルオープンするそうな。斉彬自作の茶碗や薩摩の刀工・波平一派の刀など約100点が並ぶとのことで、幕末の名君の息吹を間近に感じられそうですな。

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歴史かわら版 ・ 2026年10月

野田宇太郎が捉えた北原白秋

「文学散歩」を考案した野田宇太郎が捉えた北原白秋を手がかりに、その魅力と意義を考える講演会が11月21日に熊本県南関町で開かれるそうな。講師は研究者の岡野裕行氏とのことで、ゆかりの地を巡る先人の眼差しに触れる好機になりそうですな。

展覧会案内
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展覧会案内 ・ 奈良県立図書情報館 2階メインエントランスホール ・ 2026年10月14日(水)〜10月29日(木)

故郷に帰れぬまま92歳——ハンセン病回復者の人生を追う写真展「骨になっても」

14歳で故郷の奈良から長島愛生園に収容され、いまも島で暮らす男性。隔離政策と旧優生保護法の廃止から30年の年に、その人生を撮った写真展が奈良県立図書情報館で開かれる。

奈良で生まれ育った少年が、14歳のある日、家族から引き離されて岡山県の島にある国立ハンセン病療養所・長島愛生園に収容された。そこで結婚し、最愛の人を見送り、いま92歳。故郷にはいまも戻っていないという。この写真展は、その一人の男性の人生を、朝日新聞大阪本社映像報道部の田辺拓也記者が撮りためたものだ。 副題の「二つの法律」とは、患者の隔離を定めた「らい予防法」と、ハンセン病患者らへの不妊手術を認めていた旧優生保護法のこと。どちらも廃止から今年で30年になる。国はその誤りを認めたが、一人の人生に落ちた影はそれで消えるわけではない。会場の案内には、国の制度が個人にもたらしたものを記録した、とある。図書情報館では10月29日まで、関連する本を集めた展示「「ハンセン病問題」を知る」もあわせて開いている。 年表に一行で書かれる法律の制定や廃止の裏に、こうした一人ひとりの何十年がある。歴史を調べる者として、写真の前で立ち止まってみる値打ちのある展示だと思う。

展覧会
骨になっても ハンセン病をめぐる二つの法律と一人の人生
会場
奈良県立図書情報館 2階メインエントランスホール(奈良県奈良市大安寺西1-1000)
会期
2026年10月14日(水)〜10月29日(木)
開館時間
9:00〜20:00
休館日
月曜日(祝日・振替休日の場合はその次の平日) 会期中の休館日: 10月19日、26日
料金
入場無料
公式サイト
https://www.library.pref.nara.jp/gallery/4936

※上記は2026年10月8日時点の情報です。会期・開館時間・料金などは変更される場合があります。お出かけの前に、正確な情報は公式サイトをご確認ください。

#ハンセン病#らい予防法#旧優生保護法#長島愛生園#写真展#奈良県立図書情報館
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展覧会案内 ・ ヴォーリズ六甲山荘(旧小寺山荘) ・ 2026年4月4日(土)〜11月23日(月)

六甲の深い緑に佇む昭和初期の名建築 ― ヴォーリズ六甲山荘と「きょうだいの森」一般公開

1934年築の国登録有形文化財・ヴォーリズ六甲山荘。市民のナショナル・トラストによって守られた山荘と、室谷邸記念館や石垣が残る「きょうだいの森」を秋の六甲山で体感する。

近代建築の巨匠ウィリアム・メレル・ヴォーリズが遺した別荘建築の傑作として知られるヴォーリズ六甲山荘(旧小寺山荘)。昭和9年(1934)の竣工当時の姿を色濃く残す木造平屋建ての館内には、夏の強烈な日差しを避けて北側の窓から六甲の豊かな緑を取り込むリビングや、温もりあふれる暖炉、作り付けのベンチなど、ヴォーリズ住宅特有の温雅な設計思想が随所に息づいている。 2008年に市民の寄付によるナショナル・トラスト方式で取得・保存されて以来、大切に守り継がれてきた。広大な敷地「ヴォーリズ記念・きょうだいの森」には、名作住宅・室谷邸の門廊部材を移築した「室谷邸記念館」や、かつての採氷池の石垣など、近代の記憶を留める見どころが点在する。 隣接地には草屋根が印象的な「Vories Cottage」も開設され、カフェや工芸品の展示即売も楽しめる。錦秋に染まる六甲山上で、自然と調和した建築美と市民運動の歩みに触れる贅沢なひとときを過ごしたい。

展覧会
文化財 ヴォーリズ六甲山荘 一般公開
会場
ヴォーリズ六甲山荘(旧小寺山荘)(兵庫県神戸市灘区六甲山町北六甲4-744)
会期
2026年4月4日(土)〜11月23日(月)※土・日・祝日のみ公開
開館時間
11:00〜16:00(入場は15:30まで)
休館日
平日(祝日を除く)。臨時休館:5月23日(土)、11月3日(火・祝)ほか
料金
500円(団体による見学希望は平日等も相談可)
公式サイト
http://amenity2000.la.coocan.jp/

※上記は2026年10月24日時点の情報です。会期・開館時間・料金などは変更される場合があります。お出かけの前に、正確な情報は公式サイトをご確認ください。

#ヴォーリズ六甲山荘#ウィリアム・メレル・ヴォーリズ#近代建築#国登録有形文化財#六甲山#ナショナル・トラスト#神戸歴史遺産
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展覧会案内 ・ 国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B ・ 2026年10月6日(火)〜11月29日(日)

見られる側にも声がある ― 歴博「アイヌ民族と博覧会」150年の帳面

明治5年の湯島聖堂博覧会から2025年の大阪・関西万博まで。アイヌの人々が博覧会とどう関わってきたかを、約200点の資料と一人ひとりの「声」でたどる企画展示が佐倉の歴博で開かれる。

博覧会というのは、物を並べる場であると同時に、人を並べて比べる場でもあった。明治5年(1872)の湯島聖堂博覧会に初めてアイヌの品が出てから、およそ150年。歴博と白老の国立アイヌ民族博物館が組んだこの展示は、その長い付き合いを四つの章でたどるという。 第1章には、わたしの『近世蝦夷人物誌』二編巻之中(重要文化財、前期のみ実物)が出るそうで、いささか面映ゆい。安政4年(1857)、モニヲマを訪ねて彫り物を一つ頼み、その腕前に舌を巻いたことを書き留めた巻である。第2章は、明治36年(1903)の第五回内国勧業博覧会の「学術人類館」や大正元年(1912)の拓殖博覧会で行われた「人間展示」。一方で、拓殖博の翌年の博覧会で銅賞を受けた貝澤ウトレントクの彫盆も並ぶらしく、「見られる側」の一言では片づかない出場者の思惑にも光を当てるとのこと。第3章・第4章は1970年の大阪万博から、2025年の万博で各地の伝承者約200人が自前の衣装で臨んだ舞踊公演までを追う。 石狩の川筋も十勝の山道も、わたしはアイヌの案内人なしには一歩も進めなかった。その人々の子孫が、並べられる側から見せる側へと歩んできた道のりを、今度はこちらが静かに見せてもらう番だと思う。

展覧会
アイヌ民族と博覧会 ―150年の経験―
会場
国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B(千葉県佐倉市城内町117)
会期
2026年10月6日(火)〜11月29日(日)※前期10月6日〜11月1日/後期11月3日〜11月29日(一部の資料は前期のみ。後期は複製展示のものあり)
開館時間
9:30〜16:30(入館は16:00まで)
休館日
月曜日(休日の場合は開館し、翌平日が休館) 会期中は10月12日(月・祝)・11月23日(月・祝)が開館、10月13日(火)・11月24日(火)が休館
料金
一般1,500円、大学生800円(総合展示もあわせて観覧可) 高校生以下・18歳未満は無料(年齢の分かる証明書を提示) 障がい者手帳などをお持ちの方は、介助者とともに無料 博物館の半券で当日に限りくらしの植物苑に入苑可
公式サイト
https://www.rekihaku.ac.jp/event/2026_exhibitions_kikaku_ainu.html

※上記は2026年10月19日時点の情報です。会期・開館時間・料金などは変更される場合があります。お出かけの前に、正確な情報は公式サイトをご確認ください。

#アイヌ#博覧会#大阪・関西万博#松浦武四郎#国立アイヌ民族博物館#国立歴史民俗博物館
展覧会案内.txt - メモ帳
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展覧会案内 ・ 岡山シティミュージアム 4階企画展示室 ・ 2026年11月7日(土)〜12月6日(日)

牛窓の町筋と通信使の帳面 ― 池田家文庫で読む岡山藩と朝鮮

岡山大学の池田家文庫を毎年テーマを変えて見せる絵図展、令和8年度のお題は「朝鮮」らしい。幕府の外交を、使節を迎えた藩の側から絵図と文書でたどる。

江戸時代の日本は国を閉ざしていた、というのは半分だけの話らしい。関連講演の案内によれば、朝鮮・琉球との外交や中国・オランダとの交易など、いくつもの対外関係の上に成り立っていたそうで、朝鮮通信使が通る道中では、諸藩が使節の通行・宿泊・もてなしを受け持っていたという。今回の絵図展は、その「迎える側」の記録を、岡山藩主池田家に伝わった資料から掘り起こす趣向やね。 目玉として挙がっているのは、正徳元年(1711)の「邑久郡牛窓町筋絵図」と、享保4年(1719)の「朝鮮人御用留帳」。瀬戸内の港町・牛窓の町並みを描いた絵図と、通信使の御用を書き留めたとおぼしき帳面が並ぶわけで、藩の役人がどんな段取りで一行を迎えたのか、想像がふくらむ。ほかに「朝鮮地図」「日本図」「対馬国絵図」、林原美術館からは「朝鮮通信使図」も出るとのこと。会場では図録を先着で無料配布するそうで、これは是非とも一冊手元に置いておきたい。 実はわしも宝暦の通信使の一行とは、大坂で筆談を交わした口でな。あの賑わいの裏で、藩の帳面にはどんな苦労が書き付けられていたのか。客の側からは見えなんだ景色を、今度は絵図で覗かせてもらえそうや。

展覧会
池田家文庫絵図展「江戸幕府・岡山藩と朝鮮」
会場
岡山シティミュージアム 4階企画展示室(岡山県岡山市北区駅元町15-1 リットシティビル南棟)
会期
2026年11月7日(土)〜12月6日(日)
開館時間
10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日
毎週月曜日 11月23日(月・祝)は開館し、翌24日(火)が休館
料金
一般310円(20名以上の団体は1人250円) 中学生以下、高校生・大学生・大学院生・専門学校生(学生証を提示)、65歳以上(年齢の分かるものを提示)、障害者手帳などをお持ちの方と付き添い1名は無料 5階の企画展「鹿田遺跡と1950's Okayama」の同日の半券提示でも無料
公式サイト
https://www.city.okayama.jp/okayama-city-museum/0000084885.html

※上記は2026年10月11日時点の情報です。会期・開館時間・料金などは変更される場合があります。お出かけの前に、正確な情報は公式サイトをご確認ください。

#朝鮮通信使#池田家文庫#岡山藩#牛窓#岡山シティミュージアム
今月のこんな人.txt - メモ帳
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今月のこんな人、知っていますか?

成富兵庫茂安

龍造寺・鍋島に仕えた武将にして、佐賀の川を治めた「治水の神様」

暴れ川の流れを、石を積んだ突堤でいったん受け止め、向きを変え、勢いを殺してから取り込む。佐賀の嘉瀬川に残る「石井樋(いしいび)」は、そんな仕掛けで城下へ水を引いた取水施設で、日本最古ともいわれる。造ったのが成富兵庫茂安(1560〜1634)である。 佐賀の生まれで、若くして龍造寺家に仕え、のち鍋島家に仕えた。戦国の世をくぐり抜けた武将でありながら、後半生の仕事はもっぱら川と水。慶長年間には嘉瀬川(当時の川上川)の改修に取り組み、元和年間に石井樋を築いて多布施川へ水を分け、佐賀城下と田畑を潤した。寛永年間には筑後川の千栗(ちりく)堤防を築き、吉野ヶ里町には蛤水道の名も残る。手がけた堤防・井樋・用水路・ため池は百数カ所にのぼるそうで、地元では「治水の神様」と呼ばれているらしい。 「象の鼻」「天狗の鼻」と名付けられた突堤など、名前を聞くだけで現物を見てみとうなる。かわら版で同じ肥前の海に眠る元寇船の話が出たついでに、陸の側で川と格闘し続けた肥前のお侍のことも、覚えておいてもらえたらと思う。

#成富兵庫茂安#治水#石井樋#佐賀藩#嘉瀬川#筑後川
書籍紹介.txt - メモ帳
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書籍紹介 ・ 『古墳探偵がゆく~発掘現場のリアルすぎる秘話~』小畑三秋著(産経新聞出版)

盗掘犯の物証からベニバナの花粉まで——『古墳探偵がゆく』

産経新聞夕刊の連載「THE 古墳」が一冊に。取材歴30年以上の記者が、高松塚から仁徳天皇陵まで、関西の名だたる古墳の知られざる秘話を足で集めた。

今号のかわら版にさきたま古墳公園の新しい愛称の話が出て、先月号では「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産決定のその後を特集した。古墳の話題が続くついでに、手元に置いておきたい一冊を挙げておく。産経新聞出版から9月28日に出た『古墳探偵がゆく~発掘現場のリアルすぎる秘話~』である。 版元の紹介によれば、もとは産経新聞夕刊の人気連載「THE 古墳」。文化財の取材歴30年以上という大阪本社の小畑三秋編集委員が、“足で稼ぐ”を信条に、関西各地の有名な墳墓の知られざる話を集めたものだという。紹介に並ぶ項目がまた細かい。高松塚古墳では、鎌倉時代に急増した盗掘犯が残した“動かぬ物証”。仁徳天皇陵古墳は戦時中に焼夷弾を300発以上浴びながら、なぜ燃えなかったのか。藤ノ木古墳では、大量のベニバナの花粉が1400年前の貴公子の暗殺時期を割り出した。太安萬侶の墓誌に残る毛筆の跡は、銘文を彫るための下書きだったのか、という話まであるらしい。 墳丘を外から眺めるだけでは分からん話ばかりで、四六判254ページと持ち歩きやすいのもありがたい。秋の古墳めぐりの予習に、まずはこの一冊を棚に並べておくのがよさそうや。

#古墳#考古学#高松塚古墳#仁徳天皇陵古墳#藤ノ木古墳
編集後記.txt - メモ帳
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秋も深まり、各地から史跡や特別公開の便りが続々と届く季節となりました。今号では十勝開拓の依田勉三の掘り起こしに、1年半ぶりに石室が照らされる筑前の王塚古墳、さらに肥前の「治水の神様」成富兵庫茂安の足跡などを並べております。展示の秋らしく、奈良でのハンセン病回復者を追う写真展や、岡山藩と朝鮮通信使の絵図展、手元に置きたい『古墳探偵がゆく』まで、古今の人々の営みを多角的に集めました。大坂の書斎にて古書を開きつつ、読者の皆様とともに秋の歴史散歩を楽しめれば幸甚に存じます。(木村蒹葭堂)