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2017年1月号

バックナンバー
編集長: 木村蒹葭堂(大坂)

特集.txt - メモ帳
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【特集】大政奉還150年の記念シンポジウム ・ 初出: 2017年1月

大政奉還から150年、京都で記念シンポ。徳川・山内両家の当主が登壇、「山内容堂、実は古風」の声も

1867年の大政奉還から150年。京都市で記念のシンポジウムが開かれ、徳川宗家と土佐山内家の当主が並んで語った。「平和な政権返上」という通説は、どこまでそのとおりなのか。

慶応3年(1867年)、最後の将軍・徳川慶喜が政権を朝廷に返した大政奉還から、今年で150年になる。朝日新聞によれば、1月22日、京都市中京区で記念のシンポジウムが開かれ、市民ら約400人が集まった。登壇したのは、徳川宗家18代当主の徳川恒孝さんと、土佐山内家19代当主の山内豊功さんだ。 産経新聞によれば、冒頭の講演で青山教授は、慶喜が政権を返す際に諸藩の代表を集めて了解を得ていたことを挙げ、大政奉還は「全国規模での出来事だった」と説明した。読売新聞も、大政奉還の2日前に慶喜が二条城に諸藩の重臣ら50人を集め、土佐藩から建白された案を示して意見を聞いたことを紹介している。朝日新聞によれば、山内さんは、大政奉還を建白した山内容堂が福井藩主・松平春嶽に宛てた書状で、大事に臨む心構えとして「閑」の字を挙げていたことを紹介したという。神戸新聞(共同通信)の見出しは、容堂を「実は古風」と伝えている。 ここで少し立ち止まりたい。大政奉還は、しばしば「血を流さずに政権を返した」美談として語られる。だが実際には、その翌年から鳥羽・伏見の戦いに始まる戊辰戦争が起きている。政権を返した一幕は平和的でも、その後の道のりまで平和だったわけではない。産経新聞の連載「大政奉還を歩く」が、八月十八日の政変や蛤御門の変から薩長同盟へと続く主導権争いをたどっているのも、その前後の緊張を抜きにして大政奉還を語れないからだろう。 舞台となった二条城では、NHKによれば、大政奉還が発表された大広間のふすまが特別に公開されている。150年の節目に、美談を美談のままにせず、その前後を含めて見直す一年にしたい。

#大政奉還#徳川慶喜#山内容堂#二条城#土佐藩#幕末
▸ 2017-01-23 京都)大政奉還150年が開幕、京都市で記念シンポ(朝日新聞)▸ 2017-01-22 京都で大政奉還150年記念シンポ 徳川・山内家の末裔登壇(産経新聞)▸ 2017-01-22 大政奉還、子孫ら語る 150年記念シンポ(読売新聞)▸ 2017-01-23 大政奉還150年 中京で記念シンポ(朝日新聞)▸ 2017-01-22 大政奉還150年でシンポ、京都 「山内容堂、実は古風」(神戸新聞NEXT)▸ 2017-01-07 【大政奉還を歩く(5)】薩長同盟 幕府との主導権争い画策(産経新聞)▸ 2017-01-07 大政奉還150年 歴史の舞台 二条城の特別公開(NHK)
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【特集】新書『応仁の乱』のヒットと西陣550年 ・ 初出: 2017年1月

地味な大乱の新書がまさかの30万部。『応仁の乱』ブームと、西陣の名が生まれて550年

呉座勇一さんの中公新書『応仁の乱』が、異例のベストセラーになっている。教科書では地味な扱いの大乱が、なぜ売れるのか。乱から生まれた西陣も、今年で550年の節目を迎えた。

地味な大乱が、なんと銭になった。日経ビジネスオンラインによれば、呉座勇一さんの新書『応仁の乱』(中央公論新社)が、昨年10月末の発売からぐんぐん部数を伸ばし、30万部を軽く超えたという。芥川賞や直木賞の受賞作でもなかなか届かない数字だそうだ。 何が受けたのか。J-CASTニュースによれば、この本は応仁の乱を、奈良の興福寺の塔頭・大乗院の門跡だった僧侶2人が書き残した日記をもとに、大和の国の政情からひもといている。教科書で習う「東軍と西軍の戦い」とは違う角度で、乱の中身に迫っているわけだ。ライブドアニュースによれば、読者からは「畠山義就が好きになった」といった声も寄せられているとのこと。登場人物が多すぎて分かりにくい、という乱の欠点が、逆に「推し」を見つける楽しみになっているのかもしれない。 もう一つ、応仁の乱から生まれた商いの話もある。京都新聞によれば、西陣という呼び名は、1467年に始まった応仁の乱で西軍の陣が置かれたことに由来する。今年は発祥から550年の節目で、京都では江戸期から昭和期の名品を並べた所蔵品展が開かれている。戦の陣地の名が、550年後には織物の名として世界に通じている。焼け野原からでも、商いは立ち上がるもんや。 本も織物も、地味なものほど長う売れる。ブームは一冬で終わっても、筋の良い品は残る。この新書がどこまで部数を伸ばすか。版元の勘定がうらやましい限りやで。

#応仁の乱#呉座勇一#中公新書#西陣織#ベストセラー#室町時代
▸ 2017-01-22 大ヒット!「応仁の乱」の魅力って何?(日経ビジネスオンライン)▸ 2017-01-07 日本の歴史愛好家の知的好奇心、高かった 「応仁の乱」本が異例の ...(J-CASTニュース)▸ 2017-01-07 一般的には地味なイメージも…「応仁の乱」に関する新書が大ヒット(ライブドアニュース)▸ 2017-01-30 西陣織の伝統発信 発祥550年、京都で所蔵品展(京都新聞)
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【特集】大河ドラマ「おんな城主 直虎」の始まりと直虎男性説 ・ 初出: 2017年1月

大河『おんな城主 直虎』が始まる。史料の少ない「謎の女性」に、放送直前の男性説まで

2017年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』が1月8日に始まった。主人公の井伊直虎は、史料がほとんど残っていない人物だ。放送直前には「男性説」も飛び出し、話題に事欠かない。

今年の大河の主人公は、名前は知っていても中身はよく分からない、という人が多いのではないか。1月8日、柴咲コウさんが主演する大河ドラマ『おんな城主 直虎』が始まった。産経新聞によれば、井伊直虎は資料がほとんど残っていない「謎の女性」だ。柴咲さん自身も、よく知られていない人物だからこそ、逆に作り上げていける、と語っている。 そこへ放送直前に飛び込んだのが「男性説」である。アメーバニュースによれば、2016年12月、京都の井伊美術館の館長が、彦根藩の筆頭家老・木俣守安の聞き書きをまとめた記録の一冊『雑秘説写記』をもとに、直虎は男性だったとする説を発表した。一方、AERA dot.の対談で、直虎を小説に書いた安部龍太郎さんは、女性なのに直虎と名乗ったのは、井伊家の正統であることを内外に示すためだったのでは、と語っている。史料が少ないぶん、説が分かれるのも無理はない。 地元では、ゆかりの人たちの思いも熱い。産経新聞の地方版によれば、井伊家の菩提寺・龍潭寺の20代住職が、直虎への思いを語っている。面白いのは「直虎」の名をめぐる話だ。朝日新聞によれば、「直虎」の商標をめぐって、井伊直虎の地元・浜松市と、幕末の須坂藩主・堀直虎ゆかりの長野県須坂市との間で摩擦が起きた。ところがアットエスによれば、その後は両市の商工会議所が「直虎」を縁に交流を始めたという。同じ名の縁で手を結ぶとは、なかなか粋な落としどころや。 史料の少ない人物ほど、あれこれ想像する楽しみがある。知り合いの誰それに聞けば、きっとまた別の説が出てくるに違いない。一年かけて、ドラマと史料の両方を楽しませてもらうとしよう。

#おんな城主 直虎#井伊直虎#大河ドラマ#浜松#龍潭寺#堀直虎
▸ 2017-01-08 “謎の女性”井伊直虎が主人公の理由とは? 新たに「男性説」も浮上…(産経ニュース)▸ 2017-01-08 主演・柴咲コウが語る井伊直虎 「よく知られていない人物だから、逆に作り ...(産経ニュース)▸ 2017-01-07 NHK大河で話題の「井伊直虎・男性説」を解説 ~実は2つの可能性が ...(アメーバニュース)▸ 2017-01-15 安部龍太郎「女性なのに直虎と名乗ったのは、井伊家の正統と内外 ...(AERA dot. (アエラドット))▸ 2017-01-08 龍潭寺20代住職・武藤宗甫さん/漫画家・江川直美さん(産経新聞)▸ 2017-01-07 どちらに軍配?「直虎」二人 浜松市vs.長野・須坂市(朝日新聞)▸ 2017-01-16 「直虎」縁に2商議所交流 浜松の井伊×長野・須坂の堀(アットエス)
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【特集】映画『沈黙-サイレンス-』公開と遠藤周作『沈黙』 ・ 初出: 2017年1月

スコセッシ監督の映画『沈黙-サイレンス-』が公開。遠藤周作の原作は200万部、小説の舞台を歩く記事も

遠藤周作の小説『沈黙』を、マーティン・スコセッシ監督が映画にした『沈黙-サイレンス-』が1月21日に公開された。江戸初期のキリシタン弾圧を描いた原作にも、改めて光が当たっている。

踏むか、踏まぬか。江戸初期の長崎で、信仰と命のあいだに立たされた人々を描いた遠藤周作の小説『沈黙』が、海を渡って映画になった。マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』が、1月21日に日本で公開された。 佐賀新聞(共同通信)によれば、公開を前に東京で記者会見したスコセッシ監督は、日本の文化やキリシタンの勇気を損なうことのないよう、忠実に、誠意を持って、共感と慈悲の心で描こうと力を尽くした、と語った。日刊スポーツによれば、会見にはかくれキリシタンの帳方を務める村上茂則さんも招かれ、「先祖たちを思うと涙が出る」と話したという。 原作の小説も読まれている。日本経済新聞によれば、新潮社は、新潮文庫の『沈黙』の発行部数が累計200万部を超えたと発表した。映画の公開前に4万部を増刷したそうだ。琉球新報によれば、映画は米アカデミー賞の撮影賞にもノミネートされた。 産経新聞は、小説が世に出てから半世紀たった今、その舞台となった土地を歩き、「受け入れる」人間の弱さや、異文化との向き合い方を見つめ直す記事を載せている。記事を読みながら、長崎の海沿いの坂道と、冬の潮風を思い浮かべた。 旅の身ながら、長崎の外海のあたりにはまだ杖を向けたことがない。いつか、あの海を見下ろす丘に立って、祈りを守り通した人々のことを静かに思ってみたい。

#沈黙#遠藤周作#マーティン・スコセッシ#キリシタン#長崎#映画
▸ 2017-01-16 「沈黙」のスコセッシ監督が会見(佐賀新聞)▸ 2017-01-16 スコセッシ監督「沈黙」映画化は私生活変化きっかけ(日刊スポーツ)▸ 2017-01-22 「沈黙」が発行200万部突破 故遠藤周作さんの小説(日本経済新聞)▸ 2017-01-30 【中国時報】米アカデミー賞 「沈黙」撮影賞ノミネート(琉球新報)▸ 2017-01-29 遠藤周作「沈黙」の地を歩く 「受け入れる」人間の弱さ、異文化(産経新聞)
かわら版
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歴史かわら版 ・ 2017年01月

国宝の銅造仏頭、80年ぶり里帰り 奈良・興福寺東金堂

奈良・興福寺の国宝「銅造仏頭」が、80年ぶりに東金堂へ戻された。仏頭を収めていた国宝館が耐震改修で1年間休館するためで、12月までは東金堂で拝めるそうだ。

朝日新聞 / 2017-01-07
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歴史かわら版 ・ 2017年01月

【真田丸】九度山での悲哀にじむ…信繁の自筆書状を初公開 ブーム ...

真田信繁(幸村)が、流された先の九度山から義兄に宛てた自筆の書状1通の原本が、昨年12月から長野市松代町を皮切りに初公開されている。約100年間行方の分からなかった書状とのこと。

産経新聞 / 2017-01-08
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歴史かわら版 ・ 2017年01月

藤沢周平の小説草稿発見 一茶を題材、「遊びの精神」も

没後20年を迎える時代小説作家・藤沢周平の未発表小説の草稿が見つかった。江戸後期の俳人・小林一茶を題材に、作家デビューした1971年ごろに書かれたとみられるそうだ。

朝日新聞 / 2017-01-22
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歴史かわら版 ・ 2017年01月

奈良 キトラ古墳の壁画「玄武」 一般公開 | NHKニュース

奈良県明日香村のキトラ古墳の壁画のうち、北の守り神「玄武」が1月22日から一般公開され、多くの人が見学に訪れた。極彩色の姿を間近に見られる機会らしい。

NHK / 2017-01-22
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歴史かわら版 ・ 2017年01月

藤原鎌足時代の建物跡か? 山科・中臣遺跡から柱穴の列が出土

京都市山科区の中臣遺跡で、柱穴の列が見つかった。出土した土器から、大化の改新で中臣鎌足が活躍した時代を含む7〜8世紀ごろのものとみられ、柵か建物の跡の可能性があるとのこと。

産経新聞 / 2017-01-07
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歴史かわら版 ・ 2017年01月

7世紀前半の古墳発見 四日市の上野遺跡

三重県四日市市の上野遺跡で、7世紀前半の古墳が見つかった。市の中心近くで古墳が見つかるのは初めてで、市教委は「古墳の空白地帯を埋める発見」としているそうだ。

中日新聞 / 2017-01-08
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歴史かわら版 ・ 2017年01月

姫路城「菱の門」内部を初公開…ガイド解説も

姫路城の「菱の門」の内部が初めて公開された。池田輝政が城を大改修した1601〜09年ごろに築かれたとみられる門で、桃山時代の華やかな雰囲気を残しているとのこと。

読売新聞 / 2017-01-23
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歴史かわら版 ・ 2017年01月

ジョン万次郎の生誕190年祝う催し 高知

幕末にアメリカへ渡り、日米交流の先駆けとなったジョン万次郎の生誕190年を記念する催しが、出身地の高知県土佐清水市で開かれた。生誕祭を開くのは初めてらしい。

NHK / 2017-01-22
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歴史かわら版 ・ 2017年01月

南方熊楠の切手発売 日本郵政、生誕150周年を記念

日本郵便近畿支社が、南方熊楠の生誕150周年を記念したオリジナル切手を1月10日から売り出す。博物学の巨人も、ついに切手の顔になったわけだ。

紀伊民報 / 2017-01-07
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歴史かわら版 ・ 2017年01月

大阪の古墳群「世界遺産候補に今年こそ」 知事ら要望

大阪府の松井知事らが、百舌鳥・古市古墳群を今年こそ世界遺産の候補に推してほしいと、国に要望した。大阪の古墳群の悲願は、今年こそかなうだろうか。

朝日新聞 / 2017-01-06
投稿狂歌.txt - メモ帳
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投稿狂歌コーナー ・ お題「応仁の乱」

応仁の 乱を買うたが 十一年 続いたごとく 読み終わらへん

─ 積読の足軽 ─

編集後記.txt - メモ帳
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2017年1月号をお届けします。明けましておめでとうございます。今年は大政奉還から150年。秋成はんは京都の記念シンポを取り上げつつ、「平和な政権返上」という美談にさっそく釘を刺しております。 新しい大河『おんな城主 直虎』は、わたしが担当しました。史料の少ない人物に、放送直前の男性説まで加わって、書きながらあれこれ想像がふくらみました。西鶴はんは新書『応仁の乱』の売れ行きに目を丸くし、芭蕉翁は映画『沈黙』の公開にあわせて、長崎の祈りの歴史に思いを寄せてくれています。 かわら版には、興福寺の仏頭の里帰り、藤沢周平の一茶の草稿、キトラ古墳の玄武の公開などを並べました。今年もぼちぼち、気になる話を拾い集めていきます。