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2019年4月号

バックナンバー
編集長: 木村蒹葭堂(大坂)

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【特集】新元号「令和」と出典の万葉集 ・ 初出: 2019年4月

新元号は「令和」、出典は初めての国書『万葉集』。梅花の宴の太宰府がにぎわい、選定の舞台裏も明らかに

4月1日、新しい元号が「令和」と発表された。出典は『万葉集』の梅花の歌の序で、日本の古典から採られた初めての元号になる。太宰府は大にぎわい、選定の過程も少しずつ見えてきた。

平成の次は「令和」。4月1日に発表された新しい元号は、『万葉集』巻五の「梅花の歌三十二首」の序にある「初春の令月にして、気淑く風和ぎ」から採られた。これまでの元号は中国の古典から採られてきたから、日本の古典、いわゆる国書を出典とするのは初めてだという。 日テレNEWS24によれば、梅花の宴を開いたとされる歌人・大伴旅人の邸宅があったという説のある福岡県太宰府市の坂本八幡神社の周りには、多くの人が押し寄せている。毎日新聞によれば、九州歴史資料館では、万葉集と大宰府の結びつきを紹介する展示が始まった。栃木の足利学校でも典拠の一節を公開しているという。ニコニコニュースによれば、万葉集の本もにわかに売れ始めた。 選定の舞台裏も伝わってきた。日刊スポーツによれば、令和のほかの原案には「英弘」「広至」「万和」「万保」があり、英弘は日本書紀、万和は中国の古典『文選』に由来する案だったという。スポニチは、英弘が一時は有力案に浮上し、3月27日に令和を本命とする方針が固まったと伝えている。 さて、「初の国書」という触れ込みには、一歩引いて見ておきたい点もある。梅花の歌の序そのものが、中国の詩文の型に倣って書かれた漢文である。中国の古い詩文にも、よく似た言い回しがあると指摘する声もある。国書か漢籍かと白黒をつけるより、日本の古典が大陸の文学と深くつながっていることを示す例と読むほうが、実態に近いのではないか。 毎日新聞は、万葉集が戦時中に国威発揚に使われた歴史にも目を向けるべきだという声を紹介している。一つの古典がどう読まれてきたか。その歴史もまた、令和という二文字に重なっている。

#令和#改元#万葉集#大伴旅人#梅花の宴#太宰府
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【特集】新紙幣の顔ぶれ——渋沢栄一・津田梅子・北里柴三郎 ・ 初出: 2019年4月

新1万円札は渋沢栄一、5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎。裏には北斎の「神奈川沖浪裏」

政府が紙幣のデザインを一新すると発表した。1万円札は40年ぶりに福沢諭吉から渋沢栄一へ交代する。新しい顔ぶれの3人と、千円札の裏に採られた北斎の浮世絵を、そろばん片手に眺めてみる。

銭の顔が変わる。こればっかりは、わしも黙っておれん。朝日新聞によれば、政府は5年後に紙幣を一新すると発表した。1万円札は40年ぶりに福沢諭吉から交代して、「日本の資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一に。5千円札は樋口一葉から、津田塾大学を創った津田梅子に。千円札は野口英世から、血清療法を確立した北里柴三郎になる。 朝日新聞の別の記事によれば、渋沢は江戸時代の末に武蔵国の豊かな農家に生まれ、一橋慶喜に仕えたのち、明治の世で数多くの会社を興した人物だ。毎日新聞によれば、実は渋沢は、伊藤博文が千円札の顔になったときにも最終候補に残っていた。ところが当時は偽造防止の技術が今ほど進んでおらず、ひげのない渋沢の顔は肖像が単純になるとして落選したという。ひげ一本で、お札の顔になり損ねたわけや。 MSNの記事によれば、北里柴三郎のあだ名は「雷おやじ」だった。CNNによれば、千円札の裏には葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が採られる。NEWSポストセブンによれば、1万円札の裏は東京駅で、渋沢の出身地である埼玉県深谷市は、東京駅に使われたレンガの産地としても縁があり、二重に沸いているそうだ。 さて、商人の目で見れば、お札の顔が変われば財布も替わり、自販機もレジも作り直しになる。記念の品も飛ぶように売れる。新しいお札は、それだけで一つの大きな商いを生むわけや。 渋沢はんは生涯に五百もの会社に関わったという。そんな人が1万円札の顔になるのは、なかなか筋が通っとる。できることなら、わしの財布にも一枚でも多く来てほしいもんやで。

#新紙幣#渋沢栄一#津田梅子#北里柴三郎#葛飾北斎#深谷市
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【特集】光格天皇以来約200年ぶりの譲位 ・ 初出: 2019年4月

天皇の譲位は光格天皇以来約200年ぶり。「明和九年はめいわく」の江戸の改元もふりかえる

4月30日、天皇陛下が退位された。天皇の生前の退位は明治以降で初めて、江戸時代の光格天皇以来約200年ぶりになる。江戸の元号や譲位の史料を集めた展示も開かれている。

平成最後の日の4月30日、天皇陛下は退位された。読売新聞によれば、陛下は午前中、皇居の宮中三殿で退位の礼を行うことを報告され、午後に退位の礼に臨まれた。日本経済新聞によれば、天皇の退位は明治以降で初めて。江戸時代の光格天皇以来、約200年ぶりのことになる。 光格天皇といえば、わたしにとっては同じ時代を生きた天皇である。閑院宮家から入って即位されたのは安永の末のことで、大坂でもずいぶん話題になった。朝廷の古い儀式を次々とよみがえらせた天皇として知られ、のちに譲位して上皇となられた。その次に天皇の譲位があるまでに、二百年もかかるとは思いもよらなんだ。 イザ!によれば、江戸時代の元号や譲位にまつわる史料を集めた展示も開かれている。見出しの「明和9年はめいわく?」とは、明和九年を「めいわく年」と縁起をかついだ話だ。その年は江戸で大火もあり、元号は安永に改まった。わたしもそのころ大坂で暮らしていて、年号が変わると聞いて胸をなでおろしたことを覚えている。 Newsweek日本版は、200年ぶりの譲位を前に、皇室を知るための7つのポイントをまとめている。平成から令和へ。改元の瞬間を、天皇が存命のまま迎えるのは、江戸の世を知る者にとっては少し懐かしい光景でもある。 世の中は、こうしてゆっくりと巡っていく。新しい元号の書き初めでもしながら、次の時代を迎えるとしよう。

#譲位#光格天皇#退位の礼#改元#明和#安永
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【特集】パリのノートルダム大聖堂の火災 ・ 初出: 2019年4月

パリのノートルダム大聖堂で大火災、尖塔が崩れ落ちる。850年余りの祈りの建物に、世界が息をのんだ

4月15日、パリのノートルダム大聖堂で大規模な火災が起き、高さ約90メートルの尖塔が焼け落ちた。850年以上の歴史をもつ世界遺産の被災に、フランスだけでなく世界中が悲しみに包まれた。

炎に包まれた尖塔が、ゆっくりと傾いて落ちていく。その映像を、どれほどの人が息をのんで見つめたことだろう。スポニチによれば、4月15日、パリのセーヌ川のシテ島に建つノートルダム大聖堂で大規模な火災が起き、高さ約90メートルの尖塔が崩れ落ちた。失火の疑いで捜査が進められているという。ローマ法王庁は、世界とフランスのキリスト教の象徴が壊れたことに衝撃を受けていると声明を出した。 朝日新聞のWEBRONZAによれば、大聖堂は2019年に856歳の誕生日を迎えた、ユネスコの世界文化遺産に登録される建物である。長い年月、パリの景色に溶け込んできた大聖堂が燃える姿を前に、市民の反応はさまざまだったという。ハフポスト日本版には、火災の当日にパリに居合わせた筆者の報告が載っている。 毎日新聞の「余録」は、1804年にこの大聖堂で行われたナポレオンの戴冠式に触れている。ルーブル美術館にあるダビッドの大作に描かれた、あの場面である。大聖堂は、王や皇帝の歴史の舞台でもあり、市井の人々が祈りを捧げてきた場所でもあった。 旅の身として、異国の古い寺院が焼けたと聞くのは、わがことのようにつらい。石の壁は残っても、木の骨組みや屋根は燃えてしまう。それは日本の寺社も同じである。 再建には長い年月がかかるだろう。いつの日か、ふたたび尖塔がパリの空にそびえる日を、遠い東の空から待ちたい。

#ノートルダム大聖堂#パリ#火災#世界遺産#ゴシック建築#文化財
かわら版
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歴史かわら版 ・ 2019年04月

秀吉が最晩年を過ごした伏見城の石積み階段が出土 有力大名屋敷の ...

豊臣秀吉が最晩年を過ごした伏見城の跡(京都市伏見区)で、大規模な石積みの階段が見つかった。石に焼けた跡があり、関ケ原の戦いの前哨戦で焼け落ちた秀吉時代の伏見城のものとみられるそうだ。

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歴史かわら版 ・ 2019年04月

安徳天皇の形見用いた供養の旗も 悲劇の女性・建礼門院の遺宝展

京都市東山区の長楽寺で「建礼門院御遺宝特別展」が開かれている。平清盛の娘・建礼門院が、息子の安徳天皇の形見で作った供養の旗や、建礼門院の御影など、ふだんは非公開の7点が並ぶとのこと。

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歴史かわら版 ・ 2019年04月

通常非公開の国宝・曜変天目や書 禅文化の宝ずらり

京都・大徳寺の塔頭、龍光院に伝わる国宝の曜変天目や墨跡など、ふだんは非公開の禅文化の宝が公開される。龍光院は1606年、黒田長政が父・如水(官兵衛)の菩提を弔うために建てた寺だそうだ。

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歴史かわら版 ・ 2019年04月

池大雅「富士十二景図」特集展示も実施、藝大コレクション展4/6より

東京藝術大学のコレクション展で、池大雅の「富士十二景図」が特集展示される。全12幅のうち行方の分からなかった最後の1幅が見つかって藝大に収まったことを記念したものとのこと。わが師の絵がそろうとは、なんとも嬉しい。

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歴史かわら版 ・ 2019年04月

土方歳三没後150年 来月、新作能を初演 能楽師・山中さんが秘話語る

新選組副長・土方歳三の没後150年を記念して、能楽師の山中迓晶さんが土方を主人公に書き下ろした新作能が、命日の5月11日に東京都日野市で初演される。日野宿本陣ではプレイベントも開かれたらしい。

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歴史かわら版 ・ 2019年04月

今川義元公生誕500年祭PR 静鉄がラッピング電車

今川義元の生誕500年祭をPRするラッピング電車が、静岡鉄道で走り始めた。桶狭間で討たれた武将として語られがちな義元だが、地元の静岡では生誕500年を機に、その実像に光を当てる催しが続くらしい。

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歴史かわら版 ・ 2019年04月

屋根瓦に本多家の家紋 鈴鹿・神戸城跡近くで出土

三重県鈴鹿市の県史跡・神戸城跡の近くで、江戸時代の城主・本多家の家紋が付いた屋根瓦の破片が見つかった。城や本多家ゆかりの品は多く残るが、市は今回の出土を貴重な手がかりとみているとのこと。

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歴史かわら版 ・ 2019年04月

貴重な北前船主の古文書 所有の越島さん加賀市に1771点贈る

石川県加賀市橋立町にある北前船主の館「増田家」の土蔵から見つかった古文書1771点が、市に寄贈された。北前船で栄えた船主の商いを伝える貴重な史料になりそうだ。

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歴史かわら版 ・ 2019年04月

「雨森芳洲庵」の展示を一新 長浜市高月

滋賀県長浜市高月町の雨森芳洲の顕彰施設「雨森芳洲庵」の展示が新しくなった。芳洲の生い立ちや朝鮮通信使への随行、教育者としての横顔を、パネルで詳しく紹介しているとのこと。

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歴史かわら版 ・ 2019年04月

新1万円札渋沢栄一が協力した「青い目の人形」90年ぶり渡米へ

新1万円札の顔になる渋沢栄一が協力した「青い目の人形」の一体が、90年ぶりにアメリカへ里帰りする。日米の親善のために贈られた人形は、戦時中「敵国の人形」として多くが処分されたそうだ。

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投稿狂歌コーナー ・ お題「令和」

梅の花 千三百年 眠らせて 今年の春は 元号に咲く

─ 梅見の帰り道 ─

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2019年4月号をお届けします。平成最後の月、新しい元号は「令和」と決まりました。秋成はんは「初の国書」という触れ込みに、さっそく一言釘を刺しております。 わたしは光格天皇以来約200年ぶりの譲位を担当しました。光格天皇の即位も、明和九年の「めいわく年」の改元も、わたしが大坂で見聞きした話ですから、なんとも感慨深い月になりました。西鶴はんは新しいお札の顔ぶれに目を輝かせ、芭蕉翁は遠いパリのノートルダム大聖堂の火災に心を痛めております。 かわら版には、伏見城の石段、龍光院の曜変天目、わが師・池大雅の富士十二景図などを並べました。さて、次は令和元年の号でお目にかかります。