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2019年8月号

バックナンバー
編集長: 木村蒹葭堂(大坂)

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【特集】百舌鳥・古市古墳群、世界遺産登録から1か月 ・ 初出: 2019年8月

世界遺産登録から1か月、古墳の町は大忙し。周遊バスに古墳列車、ハニワ課長は部長に昇進、展望施設は白紙に

7月に世界文化遺産に登録された百舌鳥・古市古墳群。1か月がたち、周遊バスや古墳のラッピング列車が走り出した。一方で、仁徳天皇陵の展望施設の計画は白紙に戻った。登録後の古墳の町の動きを追う。

祭りのあとが、商いの本番である。日本経済新聞によれば、大阪府は8月22日から、百舌鳥エリアの堺市博物館前と、古市エリアの土師ノ里駅前、羽曳野市役所前の3か所を55分で結ぶ周遊バスを走らせる。土日祝日に1日4往復するという。時事通信によれば、近鉄と南海電鉄は古墳をデザインしたラッピング列車の運行も始めた。 堺市の公式キャラクターも出世した。読売新聞によれば、堺市は8月28日、古墳群をPRしてきた「ハニワ課長」を同じ日付で「部長」に昇任させると発表した。本人いわく「土器だけに胸がドキドキ」だそうな。千六百歳にしての昇進とは、めでたい話や。 ただし、うまい話ばかりではない。朝日新聞によれば、堺市の永藤英機市長は22日、大山古墳(伝仁徳天皇陵)の西側に計画していた展望施設の建設を中止すると発表した。代わりに気球で空から眺める案を検討するという。日本経済新聞は、世界遺産になった地域では観光客が増えるが、その効果をどう長く保つかが問われると指摘している。ビジネスジャーナルも、登録をめぐって学界から懸念の声が出ていることを伝えている。 わしに言わせれば、世界遺産は看板であって、商品そのものではない。看板を掲げたら客は来る。けれども、見るものがない、休む場所がない、また来たいと思わん、となれば、客は二度と戻ってこん。古墳は外から眺めるしかない森やから、見せ方の工夫が肝心や。気球もええが、足元の町の味わいを磨くことも忘れんといてほしい。 ハニワ部長には、来年は局長を目指してがんばってもらいたい。堺の商人の腕の見せどころは、これからやで。

#百舌鳥・古市古墳群#世界遺産#ハニワ課長#堺市#観光#古墳
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【特集】桜井茶臼山古墳の木棺公開と奈良の発掘成果 ・ 初出: 2019年8月

桜井茶臼山古墳の巨大木棺が初公開、飛鳥京跡苑池には「水のまつり」の跡か。夏の奈良で発掘成果が相次ぐ

初期ヤマト王権の大王墓級とされる桜井茶臼山古墳の木棺が、保存処理を終えて初めて一般公開された。飛鳥京跡苑池では、古墳時代から続く「水のまつり」の跡ではないかという流水施設も見つかった。

長さ5メートル近い丸太の棺である。産経新聞(イザ!)によれば、奈良県桜井市の桜井茶臼山古墳で出土した木棺(長さ4.89メートル、幅75センチ、厚さ27センチ)の保存処理が終わり、8月21日から奈良県立橿原考古学研究所で初めて一般に公開された。奈良新聞によれば、この古墳は3世紀末から4世紀初めの、初期ヤマト王権の大王墓級とされる国史跡である。 明日香村でも発見があった。朝日新聞によれば、橿原考古学研究所は8月8日、飛鳥京跡苑池で、7世紀後半にわき水を流す施設として造られたとみられる流水施設が見つかったと発表した。古墳時代から続く「水のまつり」の宮廷儀式を行っていた可能性が高まったという。 さて、ここで一歩引いておきたい。流水施設があったことと、そこで「水のまつり」が行われていたこととは、同じではない。水を引いた庭の設備を、どこまで儀式と結びつけて読めるのか。可能性が「高まった」という言い方には、まだ確かめるべき余地が残っていると読むべきだろう。 京都府城陽市でも調査が進む。朝日新聞によれば、山城地域で最大の前方後円墳・久津川車塚古墳(5世紀前半、全長272メートル)で、これまで推定でしかなかった後円部の構造と大きさが確かめられ、直径は110メートルだった。産経新聞によれば、文化庁は修復中の国宝・高松塚古墳壁画を、9つの学会の専門家16人に4年ぶりに公開した。 発掘の報告は、見出しより本文を、本文より報告書を読むにかぎる。夏の暑さに浮かれず、確かな数字を一つずつ積み上げていきたい。

#桜井茶臼山古墳#木棺#飛鳥京跡苑池#久津川車塚古墳#高松塚古墳#考古学
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【特集】戦後74年、沖縄戦の記憶をつなぐ ・ 初出: 2019年8月

戦後74年の夏、沖縄戦の記憶を誰が受け継ぐか。ひめゆりの資料館、戦跡の発掘、慰霊の塔から

終戦から74年の夏。沖縄戦を体験した世代が少なくなるなか、その記憶を戦後の世代が受け継ごうとしている。平和祈念資料館の取り組み、戦跡を考古学の目で掘る試み、慰霊の場の声を拾う。

蝉しぐれが降りそそぐ南の島で、74回目の夏が来た。47NEWS(共同通信)によれば、沖縄本島の南端に近い糸満市のひめゆり平和祈念資料館では、戦争を体験した世代から戦後の世代へと、沖縄戦の記憶を語り継ぐ担い手を移していくため、展示のリニューアルに向けた準備が進んでいる。 戦争の跡を、考古学の対象として掘り起こそうという動きもある。毎日新聞によれば、沖縄戦では西原村の住民の約47%が亡くなった。戦場となった土地に残る壕や陣地の跡を、戦争遺跡として調べ、記録していく必要性が語られている。遺跡というと古代のものを思い浮かべがちだが、七十余年前の戦の跡もまた、土の中に眠る歴史である。 琉球新報によれば、沖縄県立農林学校の生徒たちの慰霊塔「農林健児之塔」では、同窓生らが慰霊祭を開き、亡き友のみ霊を悼んだ。二度と愚かな戦争を起こさないためにも、沖縄戦を風化させることなく後輩に語り継ぐ、という言葉が述べられたという。東京新聞によれば、茨城県常陸大宮市でも、高校生の朗読を通じて、ひめゆり学徒隊の歩みから沖縄戦を考える催しが開かれた。 わたしは生涯を旅に過ごしたが、南の島までは足を延ばせなかった。だが、戦で散った人々の跡を訪ね、その土地に立って思いを寄せることの大切さは、平泉で「夏草や兵どもが夢の跡」と詠んだとき以来、身にしみて知っている。 体験した人の声が聞けなくなっても、土地は記憶を残し、言葉は受け継がれていく。この夏、南の空に静かに手を合わせたい。

#沖縄戦#戦後74年#ひめゆり#戦争遺跡#慰霊#平和
かわら版
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歴史かわら版 ・ 2019年08月

キトラ古墳の天文図公開へ 高松塚の飛鳥美人も 9月に

奈良県明日香村のキトラ古墳の国宝壁画「天文図」と「白虎」が、9月21日から10月20日まで、村内の「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」で公開される。高松塚の飛鳥美人の公開も予定されているそうだ。

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歴史かわら版 ・ 2019年08月

大山古墳の石棺図、18日まで特別公開 /東京

世界遺産に登録された大山古墳(仁徳天皇陵)の石棺を描いた図が、東京で8月18日まで特別に公開されている。明治時代に前方部で見つかったと伝わる石棺の姿を、図で見られる貴重な機会だ。

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歴史かわら版 ・ 2019年08月

古墳6基、新たに見つかる 鉄刀や土玉、副葬品も多数 有力者の墓の特徴 ...

京都府城陽市の芝山遺跡で、5世紀後半から6世紀前半の古墳6基と、長さ1.1メートルの鉄刀や漆で仕上げた土玉など多くの副葬品が見つかった。有力者の墓の特徴を備えているとのこと。

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歴史かわら版 ・ 2019年08月

弥生〜古墳時代の木製農具が出土 亀岡余部遺跡

京都府亀岡市の余部遺跡で、これまで分かっていなかった200年近い期間の様子を示す遺構や遺物が見つかった。複数の用水路の跡からは、弥生から古墳時代の木製の農具が出土したそうだ。

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歴史かわら版 ・ 2019年08月

45年ぶりに調査再開 古墳の規模や形解明へ

富山大学の杉谷キャンパスにある11基の古墳のうち最大の「杉谷1番塚古墳」で、45年ぶりに調査が再開された。富山大学の考古学研究室が、古墳の規模や形の解明を目指すとのこと。

チューリップテレビ / 2019-08-23
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歴史かわら版 ・ 2019年08月

揺れる松明、幻想的に 和水町古墳祭に700人が行列

熊本県和水町の古墳祭の最終日の夜、古代人に扮した約700人が、「火巫女」に率いられて松明を手に行列した。揺れる炎が、夏の夜を幻想的に照らしたらしい。

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歴史かわら版 ・ 2019年08月

「南蛮文化」身近に感じて 大分市歴史資料館でテーマ展示

大分市歴史資料館で、テーマ展示「豊後の南蛮文化」が開かれている。16世紀、大友宗麟のもとで西洋や中国との交流が盛んになり、国際色豊かな文化が花開いた豊後府内の様子を紹介しているそうだ。

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歴史かわら版 ・ 2019年08月

信長躍進の地「桶狭間」 知名度生かし観光地へ

織田信長が今川義元の大軍を破った「桶狭間」の古戦場は、名古屋市緑区と愛知県豊明市にまたがる。戦いから450年あまり、公園などが整えられ、知名度を生かした観光地づくりが進んでいるとのこと。

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投稿狂歌コーナー ・ お題「ハニワ課長」

千六百 歳で部長に 昇進す わしの出世は まだ土の中

─ 百舌鳥の昇進待ち ─

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2019年8月号をお届けします。世界遺産の登録から1か月、西鶴はんは周遊バスやハニワ部長の昇進を面白がりつつ、「看板だけでは客は戻ってこん」と、堺の商人に発破をかけております。 秋成はんは桜井茶臼山古墳の木棺や飛鳥京跡苑池の流水施設に、「可能性が高まった、は、確かめられた、ではない」と釘を刺しました。芭蕉翁は戦後74年の夏に、沖縄戦の記憶を受け継ぐ人々の姿を拾い上げてくれました。 かわら版には、キトラ古墳の天文図の公開予定、和水町の古墳祭、豊後の南蛮文化などを並べました。残暑の折、どうぞご自愛くださいませ。