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2019年12月号

バックナンバー
編集長: 木村蒹葭堂(大坂)

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【特集】討ち入りの日の忠臣蔵——赤穂義士祭と新しい研究 ・ 初出: 2019年12月

師走14日は討ち入りの日。赤穂義士祭に四十七士の行列、吉良邸は赤穂側が「包囲」していたとの研究も

元禄15年12月14日、赤穂浪士が吉良上野介の屋敷に討ち入った。その日にちなむ赤穂義士祭が兵庫県赤穂市で開かれ、各地で忠臣蔵の催しが続いた。討ち入りの成功の理由に迫る新しい研究も出ている。

師走の14日が来ると、どうにも胸が騒ぐ。ライブドアニュース(共同通信)によれば、赤穂浪士が藩主浅野内匠頭の敵討ちとして吉良上野介の屋敷に討ち入った日にあたる12月14日、兵庫県赤穂市で「赤穂義士祭」が開かれた。神戸新聞によれば、俳優の高橋英樹さんが昨年に続いて大石内蔵助役を務め、義士行列を率いた。 討ち入りの成功の理由にも、新しい光が当たっている。東京新聞によれば、吉良邸の周りを赤穂側が「包囲」していたことが、成功の要因の一つだった可能性があるという。将軍綱吉が浅野だけに切腹を命じて赤穂藩を取りつぶし、吉良を処分しなかったことが、元赤穂藩士47人を討ち入りへと向かわせた。その周到な準備の一端が、見えてきたわけである。ライブドアニュースは、映画『決算!忠臣蔵』の原作をもとに、大石内蔵助が何に一番お金を使ったのかを紹介している。 ゆかりの品や催しも各地で。神戸新聞によれば、赤穂市立歴史博物館の開館30周年に合わせ、歌川広重の忠臣蔵の錦絵から絵柄を選んだ切手シートが作られた。日テレNEWS24によれば、浮世絵の版画で忠臣蔵の世界を見せる展示も開かれ、歌川芳虎が吉良が捕らえられる場面を描いた作品などが並んだ。山陰中央新報によれば、島根県飯南町では、討ち入りの逸話にちなむ「討ち入りそば」がふるまわれた。 忠臣蔵といえば、わたしの大坂とも縁が深い。討ち入りから四十年あまりたって、大坂の竹本座で人形浄瑠璃『仮名手本忠臣蔵』が初めて演じられ、大評判をとった。わたしが子どもだったころのことで、町じゅうがその話で持ちきりだったと聞く。討ち入りの物語が、今も語り継がれる忠臣蔵になったのは、上方の芝居の力も大きかったのである。 三百年以上たっても、人々は師走の14日を忘れない。物語の力というものの大きさを、しみじみ思う年の瀬である。

#忠臣蔵#赤穂浪士#赤穂義士祭#吉良上野介#大石内蔵助#仮名手本忠臣蔵
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【特集】首里城の文化財の被害と、国宝の防火5カ年計画 ・ 初出: 2019年12月

首里城の収蔵庫は100度近くに、漆器などに大きな被害。焼け跡は間近で見られるように、文化庁は国宝の防火計画

10月の火災で正殿などが焼けた首里城で、収蔵されていた文化財の被害の大きさが明らかになった。公園の8割は散策できるようになり、焼け跡を間近に見られるようになった。文化庁は国宝などの防火の5カ年計画を打ち出した。

焼けたのは建物だけではなかった。47NEWS(共同通信)によれば、首里城を管理する沖縄美ら島財団は12月6日、火災で焼失したとみられる収蔵品393点のリストを初めて公表した。火災のとき、収蔵庫の中は100度近くまで熱くなっていたとみられ、貴重な漆器などが大きな傷を受けた。修復できる技術者も少ないという。琉球新報によれば、高熱ですすが付いたり、色が変わったりした文化財も公開され、修復には長い時間がかかりそうだ。 それでも、首里城は人々を迎え続けている。読売新聞(MSN)によれば、12月12日、城郭の一部で立ち入りの規制が解かれ、首里城公園全体の8割が散策できるようになった。焼け跡の一部を間近に見られるようになり、朝早くから観光客が訪れたという。 火災は、全国の文化財を守る仕組みも動かした。カナロコ(共同通信)によれば、文化庁は12月23日、世界遺産や国宝などの文化財の建物の防火対策を強める「5カ年計画」を公表した。パリのノートルダム大聖堂と首里城の火災を受けたものである。時事通信によれば、世界遺産や国宝の建物、そして国宝や重要文化財の美術工芸品を収める博物館などを重点に、火災を早く見つける警報の設備や、スプリンクラー、放水銃などの設置を進めるという。 木と紙でできた日本の文化財は、火に弱い。これまで何度も焼けては建て直されてきたことを思えば、守る手立てを尽くすことは、先人から預かった宝への礼儀である。 焼け跡に立つ人々の目に、首里城はどう映っているのだろう。年の瀬の南の空の下で、再建への歩みが一歩ずつ進むことを願いたい。

#首里城#文化財#漆器#防火#文化庁#沖縄
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【特集】八王子で蝦夷の土器、西安寺で法隆寺と同じ瓦 ・ 初出: 2019年12月

東京・八王子で「蝦夷の土器」が出土、強制移住の跡か。奈良の西安寺では法隆寺と同じ木型の瓦も

東京都八王子市の遺跡から、東北に住んだ「蝦夷」の土器が見つかった。朝廷との戦いに敗れた人々が移住させられた跡ではないかという。奈良の西安寺跡では、法隆寺と同じ木型で作られた瓦が出た。

東北の土器が、なぜ武蔵野の地から出たのか。ライブドアニュース(共同通信)によれば、東京都八王子市の帝京大学八王子キャンパスの敷地から、9世紀前半に作られたとみられる土器が見つかり、それが東北地方にかつて住んでいた「蝦夷」の土器である可能性が出てきた。当時は、東北の支配を強める朝廷と、それに抗う蝦夷との戦いが続いていた。朝廷に敗れて捕虜となった蝦夷の一部は、全国に移り住まわされたといわれる。その移住を示す根拠になるかもしれないという。 さて、ここは慎重に読みたい。土器の作り方が東北のものに似ているということは、その土器を作った人、あるいは作り方を知っていた人が、この地にいたことを示す。だが、それが強制された移住なのか、自らの意思での移動なのか、あるいは交易で土器だけが運ばれてきたのか。土器一つからそこまで言い切ることはできない。「根拠か」という疑問符の付いた見出しの慎重さは、正しいと思う。 奈良からも手がかりが届いた。産経新聞によれば、聖徳太子が建てた世界遺産・法隆寺と同じ木型で作られた瓦が、約3キロ南西にある奈良県王寺町の西安寺跡で見つかった。西安寺もまた聖徳太子が建てたと伝わる寺で、両寺の深い関わりがうかがえるという。 朝日新聞(MSN)によれば、九州国立博物館では、曹操の墓から出た鏡の文様をCTで撮った画像が初めて公開された。大分県日田市の鉄鏡とよく似ているとされる鏡の謎に、新しい道具で迫ろうというわけである。 土器も瓦も鏡も、語るのは手がかりまで。その先の物語は、慎重な調べの積み重ねの上にしか立たない。年の瀬にあたって、そのことを改めて肝に銘じておきたい。

#蝦夷#八王子#西安寺#法隆寺#曹操#考古学
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【特集】大河『いだてん』完結と『麒麟がくる』の延期 ・ 初出: 2019年12月

大河『いだてん』が完結、1964年の東京五輪開会式で幕。次の『麒麟がくる』は初回を1月19日に延期

2019年の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』が12月15日、最終回を迎えた。1964年の東京五輪の開会式の日を描いて一年の物語を締めくくった。次の大河『麒麟がくる』は、初回の放送が延期された。

一年の興行が、ようやく幕を下ろした。まんたんウェブによれば、宮藤官九郎さん脚本の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』は、12月15日の第47回「時間よ止まれ」で完結した。1964年10月10日、念願の東京五輪の開会式の当日を描いた最終回である。 朝日新聞は、中村勘九郎さんが演じた前半の主人公・金栗四三の歩みを振り返っている。スポーツという言葉すら知られていなかった明治の時代を「夜明け前」と表した第1回から、夏目漱石の小説にちなむ第2回「坊っちゃん」の熊本での少年時代まで。朝日新聞の別の記事は、金栗のふるさと熊本で見るべき「聖地」を紹介している。 さて、商いの目で見れば、この大河は視聴率では苦しんだ。1月の号でも書いたが、明治のスポーツの話を大河の客にどう売るか、最後まで手探りやったろう。それでも、ドラマとしての評価は高く、熱心な客をしっかりつかんだ。数字だけでは測れん興行もある、ということやな。 次の大河は波乱の幕開けや。クランクイン!によれば、長谷川博己さんが明智光秀を演じる『麒麟がくる』は、初回の放送日を2020年1月19日に延期すると、NHKが正式に発表した。ORICONによれば、光秀が中央に立つメインビジュアルも公開された。脚本は、大河『太平記』を手がけた池端俊策さんである。 延期は客を待たせるが、待たせた分だけ期待もふくらむ。光秀の一代記がどう当たるか、新しい年の興行を楽しみに待つとしよう。

#いだてん#麒麟がくる#大河ドラマ#金栗四三#明智光秀#東京五輪
かわら版
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歴史かわら版 ・ 2019年12月

家康監視に足利氏を利用か 小田原落城後に出した秀吉の書状発見

豊臣秀吉が小田原城の落城後に出した書状が見つかった。関東に入った徳川家康を見張るために、足利氏を利用しようとしたことをうかがわせる内容だそうだ。

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歴史かわら版 ・ 2019年12月

沼田城跡で本丸の瓦と柱穴を発見 市教委「真田氏の時代のもの」

戦国武将の真田氏が居城とした群馬県の沼田城跡で、本丸の瓦と柱穴が見つかった。沼田市教委は、真田氏の時代のものとみているとのこと。

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歴史かわら版 ・ 2019年12月

滋賀にも隠れキリシタン?草津で「メダリオン」発見

滋賀県草津市の旧家から見つかった聖母マリアの「メダリオン」が、桃山時代から江戸時代初期に作られたものとみられることが分かった。滋賀では珍しい隠れキリシタンの遺物らしい。

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歴史かわら版 ・ 2019年12月

平安後期、渥美焼つぼ 北野天満宮で出土、経塚に使用か 元日から ...

京都の北野天満宮で、平安時代後期に渥美半島で作られた渥美焼のつぼが出土した。経典を埋めた経塚に使われたとみられ、元日から公開されるそうだ。

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歴史かわら版 ・ 2019年12月

広がる景観美、展示工夫―ウポポイの内部初公開【白老】

北海道白老町で整備が進む民族共生象徴空間「ウポポイ」の核となる施設の内部が、報道陣に初めて公開された。東京以北で初めての国立博物館となる国立アイヌ民族博物館も含まれるとのこと。

北海道ニュースリンク / 2019-12-23
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歴史かわら版 ・ 2019年12月

阿仁鉱山の“恩人”メッゲルの写真発見 阿仁異人館で公開へ

明治時代に秋田の阿仁鉱山の発展に尽くしたドイツ人技師アドルフ・メッゲルの写真が、ドイツのフライベルク市で見つかった。国の重要文化財・阿仁異人館で1月21日から公開される。

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歴史かわら版 ・ 2019年12月

よみがえった「凍れる音楽」 国宝・薬師寺東塔の耐震化、その全貌

「凍れる音楽」とたたえられる奈良・薬師寺の国宝東塔の、耐震化を含む大規模な修理の全貌を紹介する記事。奈良時代の創建当時から残る唯一の建物を、次の世代へ伝えるための修理である。

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歴史かわら版 ・ 2019年12月

長井遺跡、石棺墓一部保存へ 行橋市 出土品近く公開も

福岡県行橋市の長井遺跡で見つかった石棺墓の一部が、保存されることになった。出土品も近く公開されるとのこと。

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歴史かわら版 ・ 2019年12月

幕末の彦根藩の知られざる動向は? 直弼没後に冷遇、倒幕にかじ

幕末の彦根藩が、藩主・井伊直弼の死後に冷遇され、やがて倒幕の側に舵を切っていった知られざる動向をたどる。大老を出した藩の、その後の苦しい立ち回りが見えてくる記事だ。

投稿狂歌.txt - メモ帳
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投稿狂歌コーナー ・ お題「忠臣蔵」

討ち入りの 夜に食べたる 蕎麦の湯気 三百年後も 師走をぬくむ

─ 赤穂の蕎麦打ち ─

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2019年12月号をお届けします。令和最初の年の瀬です。師走の14日、赤穂では義士祭が開かれ、わたしは大坂の竹本座で初めて演じられた『仮名手本忠臣蔵』の思い出とともに筆をとりました。 芭蕉翁は首里城の文化財の被害と国宝を火から守る計画を、秋成はんは八王子の蝦夷の土器や西安寺の瓦に、いつもの慎重な目を向けてくれました。西鶴はんは一年の大河『いだてん』の興行を振り返りつつ、次の『麒麟がくる』の延期に気をもんでおります。 かわら版には、秀吉の書状、沼田城の本丸、草津のメダリオン、ウポポイの内部公開などを並べました。平成から令和へ、改元の年もまもなく暮れます。どうぞよいお年をお迎えください。