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2021年2月号

バックナンバー
編集長: 木村蒹葭堂(大坂)

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【特集】大河『麒麟がくる』最終回と「光秀生存説」 ・ 初出: 2021年2月

『麒麟がくる』が最終回、本能寺の変の後に「光秀生存説」の含み。信じてはいけない本能寺のトンデモ説にもご用心

明智光秀を描いた大河『麒麟がくる』が2月7日、最終回を迎えた。コロナ禍の撮影中断で年をまたいだ異例の大河は、本能寺の変のあとに光秀が生き延びたことを匂わせる幕切れで、視聴者を騒然とさせた。

一年あまりにわたった大河が、ついに幕を下ろした。47NEWS(京都新聞)によれば、明智光秀を描いたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』は2月7日に最終回を迎えた。新型コロナウイルスの影響で撮影が中断し、年をまたぐ異例の展開となった。まんたんウェブによれば、1991年の『太平記』などで知られる池端俊策さんのオリジナル作で、謎の多い光秀の前半生にも光を当てた作品だった。 まんたんウェブによれば、最終回のラストは、本能寺の変の後、山崎の戦いで敗れたはずの光秀が生き延びたことを匂わせるもので、視聴者は騒然となったという。光秀が生き延びて、のちに家康の側近の僧・天海になったという説は、昔から根強く語られてきた。 さて、ここで釘を刺しておきたい。光秀の生存説は、あくまで伝説の域を出ない。渡邊大門氏はYahoo!ニュースのコラムで、本能寺の変をめぐる「信じてはいけない」トンデモ説の数々を取り上げている。黒幕説、生存説、陰謀説。歴史が大きく動いた事件ほど、後の世の人々は、その裏に隠された物語を探したがるものだ。 ドラマが生存を「匂わせた」のは、物語としての余韻である。それを史実の新説と取り違えてはいけない。Yahoo!ニュースの考察記事が言うように、本能寺の変は、圧倒的な英雄が絶頂期に思いがけず滅びる運命を、娯楽として味わう物語として、長く語り継がれてきた。ドラマはその系譜の上に、新しい光秀像を描いてみせたのである。 ゆかりの地にとっては、ほろ苦い一年でもあった。47NEWSによれば、滋賀では「麒麟は来たけど恩恵は…」という声もあったという。一方、読売新聞によれば、光秀が城を築いた京都府福知山市は「ついに麒麟来た!」と沸いた。物語と史実の境目を見極めつつ、一年の労をねぎらいたい。

#麒麟がくる#明智光秀#本能寺の変#光秀生存説#天海#大河ドラマ
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【特集】大河『青天を衝け』の好発進 ・ 初出: 2021年2月

大河『青天を衝け』が初回20%で好発進、8年ぶりの大台。いきなり家康が「こんばんは」、蚕ダンスに悲鳴も

渋沢栄一を主人公にした大河ドラマ『青天を衝け』が2月14日に始まった。初回の視聴率は関東地区で20.0%と、大河の初回としては8年ぶりに20%を超えた。冒頭にいきなり徳川家康が登場する演出も話題を呼んだ。

これは幸先のええ興行や。ライブドアニュースによれば、2月14日に始まった大河ドラマ『青天を衝け』の初回の世帯視聴率は、関東地区で20.0%、関西地区で18.9%だった。大河の初回が20%を超えたのは、8年ぶりだという。日刊スポーツによれば、渋沢の生誕地・埼玉県深谷市の市長も「嬉しい」と喜んだ。日本経済新聞によれば、コロナ禍で前作の放送が延びたため、異例の2月スタートとなった。 初回の見せ場は、意外な人物だった。まんたんウェブによれば、冒頭にいきなり北大路欣也さん演じる徳川家康が登場し、「こんばんは、徳川家康です」とあいさつした。ネットでは「まさかの家康はじまり」「家康公の歴史講座」と驚きの声が上がった。家康が語り部となって、幕末の時代を案内していく趣向らしい。 楽天 Woman(J-CAST)によれば、渋沢の実家の養蚕にちなんだ「蚕ダンス」の場面には、虫が苦手な視聴者から悲鳴も上がったという。渋沢の家は、藍玉の商いと養蚕で栄えた豪農だった。蚕は家の稼ぎ頭、いわば大事な商売道具である。 ゆかりの地も準備万端だ。NHKによれば、渋沢が晩年を過ごした東京都北区では、渋沢のキャラクターで彩ったラッピングのコミュニティバスが走り始めた。深谷では、渋沢の養子となった平九郎を描くオペラも上演された。 わしに言わせれば、初回の20%は、前作の光秀から客を引き継いだ上に、家康という大看板を最初に出した興行の妙や。あとは、農家の倅が銭と算盤で世の中を動かしていく筋書きで、どこまで客をつなぎとめられるか。一年の勝負、じっくり見物させてもらうで。

#青天を衝け#渋沢栄一#大河ドラマ#視聴率#徳川家康#深谷市
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【特集】若冲の弟・白歳の「牛頭天王図」と雪舟の山水長巻の里帰り ・ 初出: 2021年2月

若冲の弟・白歳が描いた「牛頭天王図」が京都・宝蔵寺で初公開。雪舟の国宝「山水長巻」は故郷・岡山に里帰り

伊藤若冲の弟・白歳が描いた「牛頭天王図」が、伊藤家の菩提寺・京都の宝蔵寺に寄贈され、初めて公開された。岡山では、雪舟の国宝「四季山水図巻(山水長巻)」が故郷に里帰りする特別展が始まる。

若冲に、絵を描く弟がいた。朝日新聞によれば、江戸中期の画家・伊藤若冲(1716〜1800)の弟・白歳(1719〜92)が描いた「牛頭天王図」が、若冲ゆかりの京都の宝蔵寺に寄贈され、公開された。東京新聞によれば、縦約79センチ、横約40センチの掛け軸で、寺は2月3日に報道陣に公開した。 毎日新聞によれば、伊藤家の菩提寺である宝蔵寺(京都市中京区)では、若冲とゆかりの人々の作品を並べる恒例の寺宝展が6日に始まった。京都新聞によれば、若冲のもう一人の弟・宗巌の作品も初めて公開される。兄弟そろって筆をとった伊藤家の絵心が、ひとつの寺に集まったわけである。 牛頭天王は、疫病を払う神として祇園社(八坂神社)に祭られてきた。疫病の広がる今の世に、若冲の弟が描いた疫病よけの神が世に出るとは、なんとも因縁めいた話やなあ。 岡山でも名品の里帰りがあった。MSNに載った記事によれば、岡山県立美術館で2月10日から開かれる特別展「雪舟と玉堂―ふたりの里帰り」のハイライトとして、雪舟の国宝「四季山水図巻(山水長巻)」が展示される。雪舟は今の総社市の出身とされ、同じく岡山ゆかりの浦上玉堂とあわせて「ふたりの里帰り」というわけだ。 浦上玉堂は、わたしと同じ時代を生きた文人画家である。琴を携え、各地を旅しながら絵を描いた。雪舟と玉堂、室町と江戸の二人の画家が、ふるさとの美術館で肩を並べる。書画を愛する者にとって、これほど心躍る取り合わせはない。

#伊藤若冲#白歳#牛頭天王#宝蔵寺#雪舟#浦上玉堂
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【特集】縄文遺跡群をめぐる観光列車「秋田縄文号」 ・ 初出: 2021年2月

土器色の観光列車「秋田縄文号」がデビュー。世界遺産を目指す縄文遺跡群を、列車とネット配信でめぐる

秋田内陸縦貫鉄道に、沿線の縄文遺跡群をモチーフにした観光列車「秋田縄文号」が登場した。世界文化遺産への登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」の魅力を伝えるネット配信や、三内丸山遺跡の企画展も開かれている。

雪の残る山あいを、土器の色をした列車が走る。時事通信によれば、秋田内陸縦貫鉄道の阿仁合駅(秋田県北秋田市)で2月11日、沿線の縄文遺跡群をモチーフにした観光車両「秋田縄文号」のお披露目会が行われた。古くなった車両を改修したものだという。 日テレNEWS24によれば、秋田縄文号は、土器をイメージした濃い茶色の外観で、世界文化遺産への登録を目指す伊勢堂岱遺跡など、沿線の魅力を伝える。列車の窓から、数千年前の人々が暮らした土地の景色を眺める。なんとも贅沢な旅ではないか。 登録に向けた動きも続く。Yahoo!ニュース(東奥日報)によれば、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録推進本部は、遺跡群の魅力や最新の情報を伝える「世界遺産登録推進フォーラム」を、インターネットで配信している。朝日新聞によれば、青森市の三内丸山遺跡では、「模倣」をテーマにした企画展「イミテーション・ワールド」が開かれ、国の重要文化財の深鉢形土器を約10分の1に縮めた土器なども並んでいる。 縄文の人々は、一か所に長く住みながら、森と海と川の恵みを分かち合って暮らしていた。旅に生きたわたしとは正反対の暮らしぶりだが、自然とともにあるという点では、きっと通じ合うものがある。 遠出のしにくい冬だが、いつか秋田縄文号に揺られて、北の縄文の里を訪ねてみたいものだ。汽車の窓から見る景色を、句に詠んでみるのもよいかもしれない。

#秋田縄文号#縄文遺跡群#伊勢堂岱遺跡#三内丸山遺跡#世界遺産#観光列車
かわら版
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歴史かわら版 ・ 2021年02月

武将・三好長慶の芥川山城跡に「櫓」遺構 天目茶碗など出土 大阪 ...

大阪府高槻市の芥川山城跡で、戦国武将・三好長慶の城の櫓とみられる遺構が見つかり、天目茶碗なども出土した。信長より先に天下を治めたとも言われる長慶の城の姿が、少しずつ見えてきた。

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歴史かわら版 ・ 2021年02月

「新宝蔵」に免震台、国宝の立像を安置…奈良・唐招提寺

奈良の唐招提寺で、文化財を収める「新宝蔵」に免震台が導入され、国宝の獅子吼菩薩立像を安置する作業が公開された。地震から仏像を守るための備えである。

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歴史かわら版 ・ 2021年02月

聖徳太子没後1400年 コロナ禍で「和」の精神どう伝える:イザ!

聖徳太子の没後1400年の御遠忌にあたる今年、太子ゆかりの寺院や町では、法要や関連行事が相次いで計画されている。コロナ禍のなかで、太子の「和」の精神をどう伝えるかが問われているそうだ。

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歴史かわら版 ・ 2021年02月

1500年前の墳丘「野焼き」で姿くっきり 京都・千歳車塚古墳

京都府亀岡市の史跡・千歳車塚古墳で、地元の消防団による恒例の野焼きがあった。雑草が焼き払われ、約1500年前からほとんど変わらない墳丘の姿がくっきりと現れたらしい。

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歴史かわら版 ・ 2021年02月

<没後130年>斉民 貴重な幼少期の書

津山藩8代藩主・松平斉民が幼いころに書いたとされる書が、先祖が藩士だった津山市の男性のもとに残されていた。斉民の没後130年にあたる年の、貴重な発見だ。

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歴史かわら版 ・ 2021年02月

鳥居龍蔵の世界観 徳島の偉人、生誕150年企画展 妻宛ての絵はがき ...

徳島市出身の人類学者・考古学者の鳥居龍蔵の生誕150年と、県立鳥居龍蔵記念博物館の開館10周年を記念した企画展が開かれている。妻に宛てた絵はがきなども並ぶとのこと。

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歴史かわら版 ・ 2021年02月

一村の未発表作品発見 73年に描かれた肖像画4点 本名「孝」の署名 ...

奄美で生涯を終えた日本画家・田中一村の未発表の作品4点が見つかった。1973年に描かれた肖像画で、一村の本名「孝」の名で署名があるそうだ。

南海日日新聞 / 2021-02-07
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歴史かわら版 ・ 2021年02月

ドブネ 往時の姿に 能登町の国重文 修復完了

石川県能登町の国指定重要有形民俗文化財の和船「能登内浦のドブネ」の修復が終わり、完成式が開かれた。昭和期に造られた大型の定置網漁の船で、往時の姿がよみがえったという。

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投稿狂歌コーナー ・ お題「麒麟がくる」

光秀は 生きて天海 なりしかと 問えばドラマは 笑って答えず

─ 天海の弟子を名乗る者 ─

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2021年2月号をお届けします。一年あまり続いた『麒麟がくる』が最終回を迎え、入れ替わるように『青天を衝け』が始まりました。秋成はんは光秀生存説の含みに「伝説と史実を取り違えるな」と釘を刺し、西鶴はんは青天の初回20%の好発進に、すっかり上機嫌です。 わたしは若冲の弟・白歳の「牛頭天王図」と、雪舟と浦上玉堂の里帰りを担当しました。玉堂は同じ時代を生きた文人ですから、名前を見るだけで懐かしくなります。芭蕉翁は、土器の色をした観光列車「秋田縄文号」に、さっそく乗ってみたそうな顔をしております。 かわら版には、三好長慶の芥川山城、唐招提寺の免震台、田中一村の未発表作品などを並べました。梅の便りも届き始めました。