縄文遺跡群、世界遺産登録後の初の週末に人の波。垣ノ島遺跡は公開開始、八戸駅にはのぼり旗、御所野は縄文スイーツ
「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されて初めての週末、函館や青森の遺跡には多くの人が訪れた。駅にはのぼり旗が立ち、遺跡をイメージしたソフトクリームも登場した。
世界遺産の看板がかかると、遺跡の空気も少し変わるらしい。北海道ニュースリンクによれば、登録後初の週末となった7月31日、28日に一般公開が始まった函館市の史跡・垣ノ島遺跡をはじめ、函館市縄文文化交流センターや史跡・大船遺跡には、縄文文化に触れようと多くの市民や観光客が訪れた。 青森でも人出があった。東奥日報によれば、31日、青森県内の構成資産の遺跡を訪れた人たちは、「人類の宝」と認められた太古の人々の暮らしに思いをはせた。七戸町の二ツ森貝塚のガイダンス施設でも、「登録で興味が湧いた」「夏休みの思い出に」という声が聞かれた。整備が進めばまた来たい、という来場者もいたそうだ。 町も歓迎の支度に余念がない。Yahoo!ニュースに載った記事によれば、八戸市は、構成資産の一つ是川石器時代遺跡の登録を知らせる「祝・世界遺産、是川石器時代遺跡」ののぼり旗18枚を、JR八戸駅の自由通路に掲げた。岩手県二戸市では、IGRいわて銀河鉄道が運営する飲食店が、一戸町の御所野遺跡をイメージした「縄文スイーツ」を売り出した。地元の奥中山高原の生乳を使ったソフトクリームだという。 わたしも旅の途中で、古い塚や石積みの前に立ったことが何度もある。そこに誰がいて、どんな暮らしをしていたのかを思いながら、しばらく動けなくなる。縄文の人々が一万年あまり暮らした土地を、今度は大勢の人が歩いて回る。遺跡にとっても、なんともにぎやかな夏だろう。 ただ、人が増えれば遺跡への負担も増える。登録はゴールではなく、守りながら見せていくことの始まりである。静かな遺跡の良さを損なわぬように、ゆっくり歩いて味わいたいと思う。
縄文遺跡群、世界遺産登録後の初の週末に人の波。垣ノ島遺跡は公開開始、八戸駅にはのぼり旗、御所野は縄文スイーツ
「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産に登録されて初めての週末、函館や青森の遺跡には多くの人が訪れた。駅にはのぼり旗が立ち、遺跡をイメージしたソフトクリームも登場した。
世界遺産の看板がかかると、遺跡の空気も少し変わるらしい。北海道ニュースリンクによれば、登録後初の週末となった7月31日、28日に一般公開が始まった函館市の史跡・垣ノ島遺跡をはじめ、函館市縄文文化交流センターや史跡・大船遺跡には、縄文文化に触れようと多くの市民や観光客が訪れた。 青森でも人出があった。東奥日報によれば、31日、青森県内の構成資産の遺跡を訪れた人たちは、「人類の宝」と認められた太古の人々の暮らしに思いをはせた。七戸町の二ツ森貝塚のガイダンス施設でも、「登録で興味が湧いた」「夏休みの思い出に」という声が聞かれた。整備が進めばまた来たい、という来場者もいたそうだ。 町も歓迎の支度に余念がない。Yahoo!ニュースに載った記事によれば、八戸市は、構成資産の一つ是川石器時代遺跡の登録を知らせる「祝・世界遺産、是川石器時代遺跡」ののぼり旗18枚を、JR八戸駅の自由通路に掲げた。岩手県二戸市では、IGRいわて銀河鉄道が運営する飲食店が、一戸町の御所野遺跡をイメージした「縄文スイーツ」を売り出した。地元の奥中山高原の生乳を使ったソフトクリームだという。 わたしも旅の途中で、古い塚や石積みの前に立ったことが何度もある。そこに誰がいて、どんな暮らしをしていたのかを思いながら、しばらく動けなくなる。縄文の人々が一万年あまり暮らした土地を、今度は大勢の人が歩いて回る。遺跡にとっても、なんともにぎやかな夏だろう。 ただ、人が増えれば遺跡への負担も増える。登録はゴールではなく、守りながら見せていくことの始まりである。静かな遺跡の良さを損なわぬように、ゆっくり歩いて味わいたいと思う。
「最強の城」一乗谷城に親子で登り、滝山城は築城500年。城ブームの一方で「失われた歴史も大切」と専門家は警鐘
福井の一乗谷城では「最強の城」として注目される山城遺構を親子で歩く催しが開かれ、八王子の滝山城は築城500年を迎えた。一方、城郭研究者は、近年の城ブームに伴う復元に懸念も示している。
城ブームは、天守のない山城にまで広がっている。福井新聞によれば、「ふくい城巡りプロジェクト」実行委員会は7月31日、福井市の一乗谷城に親子で登る催しを開いた。家族連れら約20人が、「最強の城」として注目される山城の遺構を見て回り、「天下を取った気分」と声を上げたという。今年は一乗谷朝倉氏遺跡が国の特別史跡に指定されて50年の節目でもある。 東京の八王子にも節目の城がある。読売新聞によれば、戦国時代の城郭史跡・滝山城が今年、築城500年を迎え、市や地元の住民組織が記念の企画を次々と打ち出している。「続日本100名城」にも選ばれた城である。 発掘で城の姿を確かめる動きもある。産経新聞によれば、福岡県の久留米城では、本丸の建物の位置を確かめるため、初めての発掘調査が行われる。 さて、ここで水を差すようだが、京都新聞に載った中井均・滋賀県立大名誉教授の話は読んでおきたい。織豊期城郭研究会の代表を務める中井氏は、日本の城の移り変わりと意義を語ったうえで、近年の城の人気に伴う復元には懸念も示している。見出しにあるとおり、「失われた歴史も大切」だというのだ。 もっともな話である。天守を建て直せば人は来る。だが、焼けたり壊されたりした歴史も、その城の歩みの一部だ。一乗谷の土塁や堀切がありがたいのは、何も建て足していないからこそ、戦国の人々が削った山の形がそのまま見えるからだろう。見たいものを建てるのか、あったものを確かめるのか。城好きこそ、その区別を忘れてはなるまい。
「最強の城」一乗谷城に親子で登り、滝山城は築城500年。城ブームの一方で「失われた歴史も大切」と専門家は警鐘
福井の一乗谷城では「最強の城」として注目される山城遺構を親子で歩く催しが開かれ、八王子の滝山城は築城500年を迎えた。一方、城郭研究者は、近年の城ブームに伴う復元に懸念も示している。
城ブームは、天守のない山城にまで広がっている。福井新聞によれば、「ふくい城巡りプロジェクト」実行委員会は7月31日、福井市の一乗谷城に親子で登る催しを開いた。家族連れら約20人が、「最強の城」として注目される山城の遺構を見て回り、「天下を取った気分」と声を上げたという。今年は一乗谷朝倉氏遺跡が国の特別史跡に指定されて50年の節目でもある。 東京の八王子にも節目の城がある。読売新聞によれば、戦国時代の城郭史跡・滝山城が今年、築城500年を迎え、市や地元の住民組織が記念の企画を次々と打ち出している。「続日本100名城」にも選ばれた城である。 発掘で城の姿を確かめる動きもある。産経新聞によれば、福岡県の久留米城では、本丸の建物の位置を確かめるため、初めての発掘調査が行われる。 さて、ここで水を差すようだが、京都新聞に載った中井均・滋賀県立大名誉教授の話は読んでおきたい。織豊期城郭研究会の代表を務める中井氏は、日本の城の移り変わりと意義を語ったうえで、近年の城の人気に伴う復元には懸念も示している。見出しにあるとおり、「失われた歴史も大切」だというのだ。 もっともな話である。天守を建て直せば人は来る。だが、焼けたり壊されたりした歴史も、その城の歩みの一部だ。一乗谷の土塁や堀切がありがたいのは、何も建て足していないからこそ、戦国の人々が削った山の形がそのまま見えるからだろう。見たいものを建てるのか、あったものを確かめるのか。城好きこそ、その区別を忘れてはなるまい。
終戦から76年。杉原千畝の「命のビザ」実物、知覧の特攻隊と米駆逐艦、宮崎の掩体壕。残された物が語るあの夏
終戦から76年の夏、戦争の記憶を伝える展示や整備が各地で進む。杉原千畝が発給した「命のビザ」の実物が東京で公開され、知覧特攻平和会館では海底に沈んだ米駆逐艦の調査を紹介。宮崎市は掩体壕を平和教育の場として整えた。
八月は、あの戦争を思う月である。毎日新聞によれば、第二次世界大戦中に多くのユダヤ人を救った外交官・杉原千畝(1900〜86年)の企画展が、東京・日本橋高島屋で4日から23日まで開かれる。杉原が1940年8月に駐在先のリトアニア・カウナスで発給した「命のビザ」の実物が公開される。東京新聞は、ナチス・ドイツの迫害から逃れようとした避難民に、杉原が本国の訓令に背いて日本通過のビザを出したと伝えている。 一枚の紙が人の命を救ったのなら、一機の飛行機が人の命を奪ったこともある。毎日新聞によれば、鹿児島県南九州市の知覧特攻平和会館で、企画展「海底からの証言 誠飛行隊とUSSエモンズ」が9月30日まで開かれている。太平洋戦争の末期に出撃した特攻隊と、その攻撃で沈んだ米駆逐艦の調査の結果を紹介するものだ。 戦争の跡は、今も地面に残っている。朝日新聞によれば、宮崎市の本郷地区では、太平洋戦争中に米軍の爆撃から飛行機を守るために造られた「掩体壕」のうち、市が買い取って案内板などを整えた3号壕のお披露目があった。旧海軍の飛行場だった今の宮崎空港の近くに残る壕で、市は平和教育の見学施設にするという。中日新聞によれば、愛知県の刈谷市歴史博物館でも、軍事郵便や千人針などで戦時下の暮らしをたどる展示会「戦時下の刈谷」が開かれている。 わたしは物を集めることを生業のようにしてきたが、戦争の遺品ほど、集めて並べるのに気の重いものはない。ビザも、特攻機の残骸も、千人針も、それを手にした人の命とつながっている。だからこそ、捨てずに残し、見せ続けることに意味がある。 語り部が年々少なくなるなかで、これからは物が語り部の役目を担っていく。76年目の夏、一つ一つの物の前で、足を止めてみたい。
終戦から76年。杉原千畝の「命のビザ」実物、知覧の特攻隊と米駆逐艦、宮崎の掩体壕。残された物が語るあの夏
終戦から76年の夏、戦争の記憶を伝える展示や整備が各地で進む。杉原千畝が発給した「命のビザ」の実物が東京で公開され、知覧特攻平和会館では海底に沈んだ米駆逐艦の調査を紹介。宮崎市は掩体壕を平和教育の場として整えた。
八月は、あの戦争を思う月である。毎日新聞によれば、第二次世界大戦中に多くのユダヤ人を救った外交官・杉原千畝(1900〜86年)の企画展が、東京・日本橋高島屋で4日から23日まで開かれる。杉原が1940年8月に駐在先のリトアニア・カウナスで発給した「命のビザ」の実物が公開される。東京新聞は、ナチス・ドイツの迫害から逃れようとした避難民に、杉原が本国の訓令に背いて日本通過のビザを出したと伝えている。 一枚の紙が人の命を救ったのなら、一機の飛行機が人の命を奪ったこともある。毎日新聞によれば、鹿児島県南九州市の知覧特攻平和会館で、企画展「海底からの証言 誠飛行隊とUSSエモンズ」が9月30日まで開かれている。太平洋戦争の末期に出撃した特攻隊と、その攻撃で沈んだ米駆逐艦の調査の結果を紹介するものだ。 戦争の跡は、今も地面に残っている。朝日新聞によれば、宮崎市の本郷地区では、太平洋戦争中に米軍の爆撃から飛行機を守るために造られた「掩体壕」のうち、市が買い取って案内板などを整えた3号壕のお披露目があった。旧海軍の飛行場だった今の宮崎空港の近くに残る壕で、市は平和教育の見学施設にするという。中日新聞によれば、愛知県の刈谷市歴史博物館でも、軍事郵便や千人針などで戦時下の暮らしをたどる展示会「戦時下の刈谷」が開かれている。 わたしは物を集めることを生業のようにしてきたが、戦争の遺品ほど、集めて並べるのに気の重いものはない。ビザも、特攻機の残骸も、千人針も、それを手にした人の命とつながっている。だからこそ、捨てずに残し、見せ続けることに意味がある。 語り部が年々少なくなるなかで、これからは物が語り部の役目を担っていく。76年目の夏、一つ一つの物の前で、足を止めてみたい。
夏はやっぱり化け物や。秋田の「怖い浮世絵展」は1万人、仁左衛門と玉三郎の四谷怪談、半世紀ぶりの妖怪大戦争
江戸時代後期の怪談ブームに乗って描かれた幽霊や妖怪の浮世絵を集めた展覧会が秋田で1万人を集めた。歌舞伎座では秋に「東海道四谷怪談」、映画館では1968年の特撮時代劇を下敷きにした「妖怪大戦争」が公開されている。
まあ聞いてほしい。夏の商売は、昔から化け物に限る。朝日新聞によれば、秋田市の秋田県立美術館では、江戸時代の末の怪談ブームに乗じて妖怪や幽霊を描いた作品を集めた「怖い浮世絵展」が開かれている。日本テレビ系のNews24によれば、幽霊や妖怪の浮世絵およそ100点を並べたこの展覧会は、7月10日に始まり、8月16日に入場者が1万人を超えた。 芝居も負けてへん。毎日新聞によれば、四世鶴屋南北の「東海道四谷怪談」が、片岡仁左衛門の民谷伊右衛門、坂東玉三郎のお岩で、東京・歌舞伎座の「九月大歌舞伎」で上演される。仁左衛門の伊右衛門は1967年の初演から数えて4回目、玉三郎との顔合わせは83年以来だという。南北が四谷怪談を書いたのは文政8年(1825年)。夏の芝居に幽霊を出すと客が入る、というのは江戸の芝居小屋の知恵や。 映画もある。中日新聞によれば、1968年に妖怪ブームを巻き起こした特撮時代劇が、寺田心主演の「妖怪大戦争 ガーディアンズ」として13日に全国公開された。アサ芸プラスの記事は、日本中の妖怪に加えて「大魔神」まで加わる豪華版で、これを機に昭和の妖怪ブームが見直されていると伝えている。 わしに言わせれば、化け物ほど息の長い看板役者はおらん。浮世絵の幽霊は二百年前のもんやし、伊右衛門は二百年近く同じ悪事を繰り返しとる。それでも毎年、見物の客は涼みがてら足を運ぶ。怖いもの見たさは、人の性分の中でもいちばん商売になる性分や。 暑い夏、クーラーの効いた美術館や芝居小屋で、背筋をひやりとさせる。江戸の人も今の人も、夏の過ごし方はあんまり変わらんらしいで。
夏はやっぱり化け物や。秋田の「怖い浮世絵展」は1万人、仁左衛門と玉三郎の四谷怪談、半世紀ぶりの妖怪大戦争
江戸時代後期の怪談ブームに乗って描かれた幽霊や妖怪の浮世絵を集めた展覧会が秋田で1万人を集めた。歌舞伎座では秋に「東海道四谷怪談」、映画館では1968年の特撮時代劇を下敷きにした「妖怪大戦争」が公開されている。
まあ聞いてほしい。夏の商売は、昔から化け物に限る。朝日新聞によれば、秋田市の秋田県立美術館では、江戸時代の末の怪談ブームに乗じて妖怪や幽霊を描いた作品を集めた「怖い浮世絵展」が開かれている。日本テレビ系のNews24によれば、幽霊や妖怪の浮世絵およそ100点を並べたこの展覧会は、7月10日に始まり、8月16日に入場者が1万人を超えた。 芝居も負けてへん。毎日新聞によれば、四世鶴屋南北の「東海道四谷怪談」が、片岡仁左衛門の民谷伊右衛門、坂東玉三郎のお岩で、東京・歌舞伎座の「九月大歌舞伎」で上演される。仁左衛門の伊右衛門は1967年の初演から数えて4回目、玉三郎との顔合わせは83年以来だという。南北が四谷怪談を書いたのは文政8年(1825年)。夏の芝居に幽霊を出すと客が入る、というのは江戸の芝居小屋の知恵や。 映画もある。中日新聞によれば、1968年に妖怪ブームを巻き起こした特撮時代劇が、寺田心主演の「妖怪大戦争 ガーディアンズ」として13日に全国公開された。アサ芸プラスの記事は、日本中の妖怪に加えて「大魔神」まで加わる豪華版で、これを機に昭和の妖怪ブームが見直されていると伝えている。 わしに言わせれば、化け物ほど息の長い看板役者はおらん。浮世絵の幽霊は二百年前のもんやし、伊右衛門は二百年近く同じ悪事を繰り返しとる。それでも毎年、見物の客は涼みがてら足を運ぶ。怖いもの見たさは、人の性分の中でもいちばん商売になる性分や。 暑い夏、クーラーの効いた美術館や芝居小屋で、背筋をひやりとさせる。江戸の人も今の人も、夏の過ごし方はあんまり変わらんらしいで。
伊右衛門の 悪事も二百年 飽きもせず 今年もお岩に 化けて出られる
─ 歌舞伎座の大向こう ─
伊右衛門の 悪事も二百年 飽きもせず 今年もお岩に 化けて出られる
─ 歌舞伎座の大向こう ─
2021年8月号をお届けします。終戦から76年の夏、杉原千畝の「命のビザ」の実物や、知覧の特攻隊と米駆逐艦の展示、宮崎の掩体壕と、残された物が語る戦争をわたしが担当しました。物を集めるのが好きな身でも、戦争の遺品の前では背筋が伸びます。 芭蕉翁は世界遺産に登録された縄文遺跡群の初の週末をたずね、秋成はんは一乗谷城や滝山城の人気の陰で「失われた歴史も大切」という専門家の声を拾っております。西鶴はんは怖い浮世絵に四谷怪談、妖怪大戦争と、夏の化け物商売の勘定に忙しい。 かわら版には、パリ万博に向かった渋沢栄一の特別展、江戸城天守の復元模型、五山送り火に加え、聖林寺の十一面観音、豊川の蛇行剣などを並べました。残暑厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。
2021年8月号をお届けします。終戦から76年の夏、杉原千畝の「命のビザ」の実物や、知覧の特攻隊と米駆逐艦の展示、宮崎の掩体壕と、残された物が語る戦争をわたしが担当しました。物を集めるのが好きな身でも、戦争の遺品の前では背筋が伸びます。 芭蕉翁は世界遺産に登録された縄文遺跡群の初の週末をたずね、秋成はんは一乗谷城や滝山城の人気の陰で「失われた歴史も大切」という専門家の声を拾っております。西鶴はんは怖い浮世絵に四谷怪談、妖怪大戦争と、夏の化け物商売の勘定に忙しい。 かわら版には、パリ万博に向かった渋沢栄一の特別展、江戸城天守の復元模型、五山送り火に加え、聖林寺の十一面観音、豊川の蛇行剣などを並べました。残暑厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。