新選組五番隊隊長・武田観柳斎役に竹内力!——『龍が如く 維新! 極』が呼び覚ます幕末ピカレスク
2023年2月発売予定の『龍が如く 維新! 極』から、武田観柳斎を演じる俳優・竹内力氏のインタビュー映像が公開。新選組屈指の食わせ者・観柳斎の歴史像と、ゲームならではの豪快な再解釈に迫る。
2022年の暮れ、ゲーム・歴史ファン界隈をざわつかせたのがセガ『龍が如く 維新! 極』のキャストインタビュー動画だ。新選組五番隊隊長・武田観柳斎を演じる「ミスターVシネマ」こと竹内力氏の映像が公開されるや、その圧倒的な存在感とクセの強さに「これは勝てる気がしない」「観柳斎の解釈が強烈すぎる」と大反響を呼んだ。 史実の武田観柳斎といえば、出雲国出身の甲陽流軍学者。新選組では副長助勤や軍事総長を務め、初期の組織づくりや隊士の教練に辣腕を振るった実力者である。しかし西洋式軍学の台頭とともに孤立を深め、やがて薩摩藩への密通を疑われて近藤勇や土方歳三の命を受けた斎藤一(諸説あり)によって鴨川銭取橋で暗殺されたとされる。後世の創作では「狡猾な野心家」「卑怯な策士」として描かれることが多い、いわば新選組のピカレスク担当だ。 インタビューで竹内力氏は、スリムに変貌した体型のことやキャラクターへの共感をユーモアたっぷりに語り、セガの開発陣もその強烈な個性にお手上げ状態だったとか。幕末の京都で刃を交えた男たちの泥臭い生き様が、令和の最新デジタル技術と名優の怪演によって蘇る。幕末維新という時代の底知れぬ魅力とエンタメの力強さを改めて感じさせてくれるニュースであった。
新選組五番隊隊長・武田観柳斎役に竹内力!——『龍が如く 維新! 極』が呼び覚ます幕末ピカレスク
2023年2月発売予定の『龍が如く 維新! 極』から、武田観柳斎を演じる俳優・竹内力氏のインタビュー映像が公開。新選組屈指の食わせ者・観柳斎の歴史像と、ゲームならではの豪快な再解釈に迫る。
2022年の暮れ、ゲーム・歴史ファン界隈をざわつかせたのがセガ『龍が如く 維新! 極』のキャストインタビュー動画だ。新選組五番隊隊長・武田観柳斎を演じる「ミスターVシネマ」こと竹内力氏の映像が公開されるや、その圧倒的な存在感とクセの強さに「これは勝てる気がしない」「観柳斎の解釈が強烈すぎる」と大反響を呼んだ。 史実の武田観柳斎といえば、出雲国出身の甲陽流軍学者。新選組では副長助勤や軍事総長を務め、初期の組織づくりや隊士の教練に辣腕を振るった実力者である。しかし西洋式軍学の台頭とともに孤立を深め、やがて薩摩藩への密通を疑われて近藤勇や土方歳三の命を受けた斎藤一(諸説あり)によって鴨川銭取橋で暗殺されたとされる。後世の創作では「狡猾な野心家」「卑怯な策士」として描かれることが多い、いわば新選組のピカレスク担当だ。 インタビューで竹内力氏は、スリムに変貌した体型のことやキャラクターへの共感をユーモアたっぷりに語り、セガの開発陣もその強烈な個性にお手上げ状態だったとか。幕末の京都で刃を交えた男たちの泥臭い生き様が、令和の最新デジタル技術と名優の怪演によって蘇る。幕末維新という時代の底知れぬ魅力とエンタメの力強さを改めて感じさせてくれるニュースであった。
百四日間の世界一周——漢学者記者・西村天囚が見た明治末の欧米
明治43年、世界一周旅行ツアーに参加した新聞記者・西村天囚の足跡。百年以上前の日本人が目撃した世界の激動を読み解く一冊。
明治43年(1910年)、朝日新聞社主催の「世界一周会」に特派員として参加した漢学者・ジャーナリストの西村天囚。彼がシベリア鉄道から欧州、大西洋を渡ってアメリカへと巡った104日間の大旅行の記録『欧米遊覧記』を、中国哲学・近世儒学研究者の湯浅邦弘氏が現代の視点から緻密に読み解いた好著である。 大坂・懐徳堂の精神を明治の世に継承した天囚は、単なる物見遊山の観光客ではない。伝統的な東洋学・漢学の深い素養に裏打ちされた複眼的な観察眼で、帝国主義全盛期の欧米列強の繁栄と貧困、摩天楼がそびえる近代都市の喧騒、そして日露戦争後の極東における日本の立ち位置を鋭く見つめていた。ロンドンやパリの博物館を巡る天囚の知的好奇心には、かつて大坂で古今東西の文物・書籍を蒐集したわたし(蒹葭堂)も深く共感を覚える。 百年前の日本人が世界の激動の現場で何を思考したのか。旅の途上で記された克明な観察記録は、現代のグローバル社会を生きる私たちにとっても示唆に満ちている。年の瀬から新年にかけての静かな読書に、ぜひ手にとっていただきたい一冊である。
百四日間の世界一周——漢学者記者・西村天囚が見た明治末の欧米
明治43年、世界一周旅行ツアーに参加した新聞記者・西村天囚の足跡。百年以上前の日本人が目撃した世界の激動を読み解く一冊。
明治43年(1910年)、朝日新聞社主催の「世界一周会」に特派員として参加した漢学者・ジャーナリストの西村天囚。彼がシベリア鉄道から欧州、大西洋を渡ってアメリカへと巡った104日間の大旅行の記録『欧米遊覧記』を、中国哲学・近世儒学研究者の湯浅邦弘氏が現代の視点から緻密に読み解いた好著である。 大坂・懐徳堂の精神を明治の世に継承した天囚は、単なる物見遊山の観光客ではない。伝統的な東洋学・漢学の深い素養に裏打ちされた複眼的な観察眼で、帝国主義全盛期の欧米列強の繁栄と貧困、摩天楼がそびえる近代都市の喧騒、そして日露戦争後の極東における日本の立ち位置を鋭く見つめていた。ロンドンやパリの博物館を巡る天囚の知的好奇心には、かつて大坂で古今東西の文物・書籍を蒐集したわたし(蒹葭堂)も深く共感を覚える。 百年前の日本人が世界の激動の現場で何を思考したのか。旅の途上で記された克明な観察記録は、現代のグローバル社会を生きる私たちにとっても示唆に満ちている。年の瀬から新年にかけての静かな読書に、ぜひ手にとっていただきたい一冊である。
ホセ・リサール
明治の東京に2か月滞在した、フィリピン独立運動に影響を与えた医師・作家
「フィリピンの国民的英雄ホセ・リサール博士 1888年 この地東京ホテルに滞在す」。日比谷公園の片隅に、そう刻まれた碑と胸像がある。気づく人は少ないらしいが、この人、ただ者ではない。 ホセ・リサール(1861〜1896)は、スペイン統治下のフィリピン、ルソン島カランバの生まれ。マニラで学んだのちマドリードに渡り、医学と哲文学の学位を取った医師である。1887年にベルリンで小説『ノリ・メ・タンヘレ』を出し、祖国の社会の病を描いた。翌1888年の春には来日し、2月末から4月半ばまで東京に滞在している。帰国後は「ラ・リガ・フィリピナ」を組織して、暴力によらない改革を訴えた。やがてミンダナオ島に流され、1896年12月30日、35歳でマニラで銃殺された。この日がいまのフィリピンの祝日「リサール記念日」だ。 驚くのは語学の才で、20あまりの言葉を身につけたと伝わる。医者で小説家で、絵筆も執った。物好きを自任するわたしも、この手広さにはかなわんなあ。書籍紹介の西村天囚が日本から欧米を巡ったのは明治の末。その二十年あまり前に、リサールは日本を振り出しにアメリカ、ヨーロッパへと渡っていった。年の瀬の日比谷で、碑の前に足を止めてみてほしい。
ホセ・リサール
明治の東京に2か月滞在した、フィリピン独立運動に影響を与えた医師・作家
「フィリピンの国民的英雄ホセ・リサール博士 1888年 この地東京ホテルに滞在す」。日比谷公園の片隅に、そう刻まれた碑と胸像がある。気づく人は少ないらしいが、この人、ただ者ではない。 ホセ・リサール(1861〜1896)は、スペイン統治下のフィリピン、ルソン島カランバの生まれ。マニラで学んだのちマドリードに渡り、医学と哲文学の学位を取った医師である。1887年にベルリンで小説『ノリ・メ・タンヘレ』を出し、祖国の社会の病を描いた。翌1888年の春には来日し、2月末から4月半ばまで東京に滞在している。帰国後は「ラ・リガ・フィリピナ」を組織して、暴力によらない改革を訴えた。やがてミンダナオ島に流され、1896年12月30日、35歳でマニラで銃殺された。この日がいまのフィリピンの祝日「リサール記念日」だ。 驚くのは語学の才で、20あまりの言葉を身につけたと伝わる。医者で小説家で、絵筆も執った。物好きを自任するわたしも、この手広さにはかなわんなあ。書籍紹介の西村天囚が日本から欧米を巡ったのは明治の末。その二十年あまり前に、リサールは日本を振り出しにアメリカ、ヨーロッパへと渡っていった。年の瀬の日比谷で、碑の前に足を止めてみてほしい。
新選組 五番隊長 凄み増し 竹内力の 眼光鋭し
─ 浪花のゲーム道楽 ─
新選組 五番隊長 凄み増し 竹内力の 眼光鋭し
─ 浪花のゲーム道楽 ─
立ち塞ぐ 敵のすべてを 討ち果てて 最期に絶たる 姉の薬湯
─ 坂東の野武士 ─
立ち塞ぐ 敵のすべてを 討ち果てて 最期に絶たる 姉の薬湯
─ 坂東の野武士 ─
2022年12月号をお届けいたします。年の瀬の気配が深まるなか、一年を通じて日本中を熱狂させた大河ドラマ『鎌倉殿の13人』もいよいよ完結いたしました。承久の乱へとなだれ込む北条義時の孤独と壮絶な最期、そして三浦義澄ら坂東武者たちの泥臭い生き様は、まさに歴史劇の金字塔と呼ぶにふさわしい迫力でしたね。また、ゲーム『龍が如く』での竹内力さん演じる武田観柳斎の強烈な存在感や、明治の漢学者・西村天囚の世界一周紀行、東京に足跡を残したフィリピンの英雄ホセ・リサールなど、古今東西の人間味あふれる歴史のドラマが揃いました。今年一年、本誌をご愛読いただき誠にありがとうございました。皆様どうぞ健やかによいお年をお迎えください。
2022年12月号をお届けいたします。年の瀬の気配が深まるなか、一年を通じて日本中を熱狂させた大河ドラマ『鎌倉殿の13人』もいよいよ完結いたしました。承久の乱へとなだれ込む北条義時の孤独と壮絶な最期、そして三浦義澄ら坂東武者たちの泥臭い生き様は、まさに歴史劇の金字塔と呼ぶにふさわしい迫力でしたね。また、ゲーム『龍が如く』での竹内力さん演じる武田観柳斎の強烈な存在感や、明治の漢学者・西村天囚の世界一周紀行、東京に足跡を残したフィリピンの英雄ホセ・リサールなど、古今東西の人間味あふれる歴史のドラマが揃いました。今年一年、本誌をご愛読いただき誠にありがとうございました。皆様どうぞ健やかによいお年をお迎えください。